兵庫県の武庫川堤にある二股の樟。伐ると大火が起き、伐ろうとした人夫は鋸が折れて一週間発熱した。
老樟とはどんな妖怪か
老樟は、伐ると火が出る木です。兵庫県の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、井上頼壽「洛南随筆(二)」(『郷土研究上方』上方郷土研究会、1936年)を典拠に、引用文献に「大阪朝日新聞」を挙げて、武庫川堤のところにある二股の老樟は、伐ると大火が起き、伐った人には祟りがあるという。武庫川改修の時にこの木を伐ろうとした人夫は、鋸が折れ、その後1週間発熱したと記します。
災いは二通りあります。
土地には大火、伐った人には祟りです。
この図鑑にはオナオ樟(愛媛)も収めています。
老樟の漢字表記と読み方
読みは「ろうしょう」です。
「二股」は、幹が途中で二つに分かれていることです。
「人夫」は、工事などで働く人のことです。
「改修」は、川の流れを直す工事のことです。
この図鑑にはオナオ樟(愛媛)も収めています。
老樟(ろうしょう)
日文研データベースが示す呼称。
樟(くすのき)
常緑の大きな木で、樟脳をとります。
老樟の姿と特徴
老樟の話は、記録に短く書かれています。
その場所 … 武庫川堤のところ。
その木 … 二股の老樟。
伐るとどうなるか(一) … 大火が起きる。
伐るとどうなるか(二) … 伐った人には祟りがある。
実際にあったこと … 武庫川改修の時に伐ろうとした。
その人 … 人夫。
起きたこと(一) … 鋸が折れた。
起きたこと(二) … その後1週間発熱した。
樟の太さは書かれていません。
老樟の伝承記録
武庫川堤の二股
武庫川堤のところに二股の老樟があります。
分かれているのは幹です。
伐ると大火
伐ると大火が起き、伐った人には祟りがあるといいます。
起きるのは火です。
鋸が折れる
武庫川改修の時にこの木を伐ろうとした人夫は、鋸が折れました。
折れたのは鋸です。
一週間の発熱
その後1週間発熱しました。
続いたのは熱です。
老樟の伝承地域
公的データベースの地域欄は兵庫県までで、市郡までは示されていません。
データベースは引用文献に「大阪朝日新聞」を挙げています。
老樟の正体と考えられているもの
老樟は、伐ると火が出る木です。
姿を変えるものではありません。 語られているのは、伐るとどうなるかと、実際に何が起きたかです。
言い伝えのあとに改修工事の一件を並べているところが、新聞を引いた報告らしい書きぶりです。
この図鑑にはオナオ樟(愛媛)も収めています。
老樟が登場する作品
老樟を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦前の上方の郷土雑誌です。
伐ると祟る木の話は各地にあり、道や川の工事のたびに語り直されてきました。
老樟が登場する郷土誌
郷土研究上方
上方郷土研究会が出した雑誌です。1936年の号に洛南随筆が載ります。
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老樟についてよくある質問
老樟とは何ですか。
兵庫県の武庫川堤にあるという、二股の樟の木です。
伐るとどうなりますか。
大火が起き、伐った人には祟りがあるといいます。
実際に何がありましたか。
武庫川改修のとき伐ろうとした人夫の鋸が折れました。
その人はどうなりましたか。
その後一週間発熱したといいます。
老樟と併せて覚えたい言葉・用語
樟(くすのき)
常緑の大きな木で、樟脳をとります。
人夫(にんぷ)
工事などで働く人のことです。
武庫川(むこがわ)
兵庫県南東部を流れる川です。
老樟の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。