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兵庫県

池中の綿(いけのなかのわた)とはどんな妖怪か|姿と伝承

池中の綿  / イケノナカノワタ

器物と草木 各地の伝説

兵庫県姫路市の話。子が溺れた池の水を汲み出すと底に白い綿があり、紡いで売って村が潤った。

池中の綿の姿を描いた図

Nikos Kitsakis 「姫路城(兵庫県姫路市)」 2015年 / CC BY-SA 4.0 出典

池中の綿とはどんな妖怪か

池中の綿は、池の底から出た白い綿です。兵庫県姫路市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、佐々木貞高閑窓瑣談後編」(『日本随筆大成第一期』吉川弘文館、1975年)を典拠に、広さ数百歩の池で子どもが溺れ死んので、その池を田にしようと村人が力を合せ水を汲み出したところ、池の底に白い綿があったと記します。

祟りではなく実りになりました。

それは木綿に似ていたので紡いで着用した。量が多かったので、多村へ売り出したところ、上品な物であったので皆争って買い求め、村は大いに利得を得たと続きます。

この図鑑には薬水信仰(兵庫)も収めています。

池中の綿の漢字表記と読み方

読みは「いけのなかのわた」です。

「歩」は土地の広さの単位で、一歩はおよそ3.3平方メートルです。

「紡ぐ」は、繊維をより合わせて糸にすることです。

「上品」は、質の良いものという意味です。

この図鑑には薬水信仰(兵庫)も収めています。

池中の綿(いけのなかのわた)

日文研データベースが示す呼称です。

歩(ぶ)

記録が示す広さの単位です。一歩はおよそ3.3平方メートルにあたります。

池中の綿の姿と特徴

池中の綿の話は、記録に順を追って書かれています。

その池 … 広さ数百歩。
起きたこと … 子どもが溺れ死んだ。
村人のしたこと … その池を田にしようと力を合せ水を汲み出した。
池の底にあったもの … 白い綿。
その様子 … 木綿に似ていた。
したこと … 紡いで着用した。
その量 … 多かった。
売った先 … 多村。
その評 … 上品な物。
売れゆき … 皆争って買い求めた。
村のこと … 大いに利得を得た。

綿がどうしてそこにあったかは書かれていません。

池中の綿の伝承記録

  1. 子が溺れる
  2. 水を汲み出す
  3. 底の白い綿
  4. 紡いで売る

子が溺れる

広さ数百歩の池で子どもが溺れ死にました。

起きたのは池での死です。

水を汲み出す

その池を田にしようと村人が力を合せ水を汲み出しました。

変えようとしたのは池を田にです。

底の白い綿

池の底に白い綿がありました。

出たのは白い綿です。

紡いで売る

それは木綿に似ていたので紡いで着用し、量が多かったので多村へ売り出したところ、上品な物であったので皆争って買い求め、村は大いに利得を得ました。

得たのは村じゅうの利です。

池中の綿の伝承地域

公的データベースの地域欄は兵庫県、市郡名の欄は姫路市を示します。

池の名も、売った多村がどこかも書かれていません。

姫路市(ひめじし)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

姫路市の所在地:兵庫県姫路市

記録は池の名を書いていません。

随筆に書き留められた出来事です。

池中の綿の正体と考えられているもの

池中の綿は、池の底から出た白い綿です

祟る話ではありません。 語られているのは、子が溺れた池を干したことと、底から出たものが村を潤したことです。

溺死のあとに利得が続く運びが、この話を奇談にしています。

この図鑑には薬水信仰(兵庫)も収めています。

池中の綿が登場する作品

池中の綿を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは江戸時代の随筆です。

池を干すと底から珍しいものが出る話は各地にあり、鞍や鏡、綿などが挙げられます。

池中の綿が登場する随筆

閑窓瑣談

佐々木貞高が書いた随筆です。日本随筆大成第一期に後編が収められています。

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池中の綿についてよくある質問

池中の綿とは何ですか。

兵庫県姫路市の話で、池の水を汲み出したとき底から出たという白い綿です。

なぜ池を干したのですか。

子どもが溺れ死んだため、その池を田にしようとしたからです。

綿はどうしましたか。

木綿に似ていたので紡いで着用し、多村へ売り出したといいます。

村はどうなりましたか。

皆が争って買い求め、村は大いに利得を得たといいます。

池中の綿と併せて覚えたい言葉・用語

(ぶ)

土地の広さの単位です。一歩はおよそ3.3平方メートルです。

紡ぐ(つむぐ)

繊維をより合わせて糸にすることです。

姫路市(ひめじし)

兵庫県の南西部にある市です。

池中の綿の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「池中の綿」