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北海道

棺を持ち去った黒雲(かんをもちさったくろくも)とはどんな妖怪か|姿と伝承

棺を持ち去った黒雲  / カンヲモチサッタクロクモ

そのほか 各地の伝説

北海道函館市で、邪見な老母が死んだとき雷雨とともに現れ、棺を宙天に持ち去ったという黒雲。

棺を持ち去った黒雲の姿を描いた図

MaedaAkihiko 「函館山から見た夜景(北海道函館市)」 2022年 / CC BY-SA 4.0 出典

棺を持ち去った黒雲とはどんな妖怪か

棺を持ち去った黒雲は、弔いを奪った雲です。北海道函館市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、深瀬春一松前怪談十種」(『旅と伝説』三元社、1930年)を典拠に、引用文献に渋田利右衛門翁の雑記を挙げて、約60年前、非常に邪見な性質の老母が死んだとき、空が俄に掻き曇り、雷鳴がとどろき、雷閃き雨は車軸を流すかのようにふった。と、突然黒雲が棺を宙天に持ち去り、行方不明になってしまったと記します。

戻ってきていません。

棺は行方不明になってしまったのです。

この図鑑には石棺(島根)も収めています。

棺を持ち去った黒雲の漢字表記と読み方

読みは「かんをもちさったくろくも」です。

データベースの呼称欄は「雷鳴,黒雲」と読点で分けて示します。

「邪見」は、思いやりがなく意地の悪いことです。

「車軸を流す」は、雨が激しく降るようすの言い方です。

「宙天」は、空のなかほどのことです。

この図鑑には石棺(島根)も収めています。

棺を持ち去った黒雲(かんをもちさったくろくも)

データベースの呼称欄は「雷鳴,黒雲」と分けて示します。

松前怪談十種(まつまえかいだんじっしゅ)

論文名です。

棺を持ち去った黒雲の姿と特徴

棺を持ち去った黒雲の話は、記録に順を追って書かれています。

そのころ … 約60年前。
その人 … 非常に邪見な性質の老母。
そのとき … 死んだとき。
起きたこと(一) … 空が俄に掻き曇った。
起きたこと(二) … 雷鳴がとどろいた。
起きたこと(三) … 雷が閃いた。
起きたこと(四) … 雨は車軸を流すかのようにふった。
現れたもの … 黒雲。
したこと … 棺を宙天に持ち去った。
その後 … 行方不明になってしまった。

黒雲の形は書かれていません。

棺を持ち去った黒雲の伝承記録

  1. 邪見な老母の死
  2. 俄に掻き曇る
  3. 車軸を流す雨
  4. 棺が消える

邪見な老母の死

約60年前、非常に邪見な性質の老母が死にました。

書かれているのは人柄です。

俄に掻き曇る

空が俄に掻き曇り、雷鳴がとどろきました。

変わったのはです。

車軸を流す雨

雷閃き雨は車軸を流すかのようにふりました。

降ったのは大雨です。

棺が消える

と、突然黒雲が棺を宙天に持ち去り、行方不明になってしまいました。

失われたのはです。

棺を持ち去った黒雲の伝承地域

公的データベースの地域欄は北海道、市郡名の欄は函館市を示します。

論文名は松前怪談十種で、松前まわりの話を集めたものです。

函館市(はこだてし)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

函館市の所在地:北海道函館市

報告は三元社の旅と伝説によります。

データベースは引用文献に渋田利右衛門翁の雑記を挙げています。

棺を持ち去った黒雲の正体と考えられているもの

棺を持ち去った黒雲は、弔いを奪った雲です

姿は雲としか書かれていません。 語られているのは、空がどうなったかと、何が消えたかです。

人柄を先に書いてから空の変わりようを並べるところに、因果の読み方が出ています。

この図鑑には石棺(島根)も収めています。

棺を持ち去った黒雲が登場する作品

棺を持ち去った黒雲を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦前の伝説雑誌です。

悪しき者の亡骸が運び去られるという話は各地にあり、雷や雲とともに語られます。

棺を持ち去った黒雲が登場する雑誌

旅と伝説

三元社が出した伝説の雑誌です。1930年の号に松前怪談十種が載ります。

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棺を持ち去った黒雲についてよくある質問

どんな話ですか。

北海道函館市で、黒雲が棺を持ち去ったという話です。

いつのことですか。

報告の書かれた1930年から見て約六十年前とされます。

どんな天気でしたか。

空が俄に掻き曇り、雷鳴がとどろき、車軸を流すような雨が降りました。

棺はどうなりましたか。

宙天に持ち去られ、行方不明になったといいます。

棺を持ち去った黒雲と併せて覚えたい言葉・用語

邪見(じゃけん)

思いやりがなく意地の悪いことです。

宙天(ちゅうてん)

空のなかほどのことです。

松前(まつまえ)

北海道南部の地名です。

棺を持ち去った黒雲の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「雷鳴,黒雲」