福井県敦賀市で、鍬や鎌を入れたり足を入れると腹痛で死ぬとされた塚。

無名塚とはどんな妖怪か
無名塚はひとことで言えば、由来が二つある塚です。福井県敦賀市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、荒谷捨松「敦賀市山の伝説」(『えちぜんわかさ』通巻13号、1993年、29頁)を典拠に、一つの塚がある。伝説によると、昔、弘法大師が巡錫の時昼食のタモの木で作った箸を挿しておいたところ、根付いて大きくなったものという。また、神功皇后の三韓遠征のとき、渡海し死亡した者を葬った塚という。この塚に鍬や鎌を入れたり、足を入れると腹痛を起こして死ぬといわれると記します。
名前が付いていません。
無名塚という呼び名そのものが、 誰の塚か分からないということを表しています。
無名塚の漢字表記と読み方
読みは「むめいつか」です。
巡錫は、僧が杖を手に諸国をめぐることをいいます。 弘法大師の伝説は各地にあります。
タモはトネリコの仲間の木で、粘りがあり道具の柄に使われます。
この図鑑には無縁墓(佐賀)も収めています。どちらも踏むと病む塚です。
無名塚(むめいつか)
日文研データベースが示す呼称。
タモの木(たものき)
弘法大師が箸にしたと伝わる木です。
無名塚の姿と特徴
無名塚に姿はありません。記録にあるのは、二つの由来と、禁です。
もの … 一つの塚。
由来1 … 弘法大師が巡錫の時、昼食のタモの木で作った箸を挿しておいたら根付いた。
由来2 … 神功皇后の三韓遠征のとき、渡海し死亡した者を葬った。
禁じられたこと1 … 鍬や鎌を入れること。
禁じられたこと2 … 足を入れること。
破るとどうなるか … 腹痛を起こして死ぬ。
塚の大きさは書かれていません。
無名塚の伝承記録
箸が根付いた
昔、弘法大師が巡錫の時、昼食のタモの木で作った箸を挿しておいたところ、根付いて大きくなったものといいます。
捨てた箸が、木になっています。
渡海で死んだ者の塚
また、神功皇后の三韓遠征のとき、渡海し死亡した者を葬った塚ともいいます。
由来が、もう一つあります。
どちらとも決められていません。
鍬も足も入れない
この塚に鍬や鎌を入れたり、足を入れると腹痛を起こして死ぬといわれます。
触れることも、踏むことも禁じられています。
手を入れない、それが守り方でした。
無名塚の伝承地域
公的データベースの地域欄は福井県敦賀市を示します。
敦賀市は敦賀湾の奥にあたり、古くから港として知られます。
無名塚の正体と考えられているもの
無名塚は、誰の塚か分からない塚です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、腹痛を起こして死ぬという言い方だけです。
それでも、二つの由来が伝わっています。
この図鑑には無縁墓(佐賀)も収めています。
無名塚が登場する作品
無名塚を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは会誌です。
手を入れてはいけない塚の話は各地にあり、弘法大師の伝説と重なることがあります。この図鑑には無縁墓(佐賀)も収めています。
無名塚が登場する学会誌
えちぜんわかさ
福井民俗の会の会誌です。1993年の号に荒谷捨松の報告が載ります。
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無名塚についてよくある質問
無名塚とは何ですか。
福井県敦賀市にある、由来の定まらない塚です。
どんな由来がありますか。
弘法大師の箸が根付いたとも、渡海で死んだ者を葬ったとも伝わります。
何が禁じられていますか。
鍬や鎌を入れたり、足を入れることとされます。
破るとどうなりますか。
腹痛を起こして死ぬといわれます。
無名塚と併せて覚えたい言葉・用語
巡錫(じゅんしゃく)
僧が杖を手に諸国をめぐることです。
タモ(たも)
トネリコの仲間の木。道具の柄に使われます。
神功皇后(じんぐうこうごう)
三韓遠征の伝説で知られる古代の皇后です。
無名塚の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。