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福井県

化石渓(かせきだに)とはどんな妖怪か|姿と伝承

化石渓  / カセキダニ

そのほか 各地の伝説

福井県大野市で、沈めた物が石になると伝えられた谷川。器を送って確かめた人がいます。

化石渓の姿を描いた図

くろふね 「越前大野城(福井県大野市)」 2019年 / CC BY-SA 出典

化石渓とはどんな妖怪か

化石渓はひとことで言えば、物を石に変えると噂された川です。福井県大野市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、田宮橘庵愚雑俎」(『日本随筆大成第3期』9巻、1977年、283頁)を典拠に、越前国大野領化石渓のある川に、物を沈めれば化石になると聞いた浪速の人が、それを確かめようと器を送ったところ、返却されてきた化石化した器は見るからに人が作った物だったと記します。

噂を聞いて、実際に器を送っています。

戻ってきた器は見るからに人が作った物でした。 つまり、石になっていなかったという見立てです。

化石渓の漢字表記と読み方

読みは「かせきだに」です。

「化石」は石に化けることを指します。 今の意味の化石とは使い方が違います。

場所は越前国大野領と記されます。 現在の福井県大野市にあたります。

この図鑑には石棺(島根)も収めています。そちらも石にまつわる話です。

化石渓(かせきだに)

日文研データベースが示す表記。

化石谷(かせきだに)

谷を意味する字を当てた形です。

化石渓の姿と特徴

化石渓に姿はありません。記録にあるのは、試したことです。

場所 … 越前国大野領の化石渓のある川。
… 物を沈めれば化石になる。
聞いた人 … 浪速の人。
したこと … 確かめようと器を送った。
戻ってきたもの … 化石化した器。
見立て … 見るからに人が作った物だった。

川の主や獣についての記述はありません。

化石渓の伝承記録

  1. 石になるという噂
  2. 浪速の人が試す
  3. 戻ってきた器

石になるという噂

越前国大野領の化石渓のある川に、物を沈めれば化石になると伝えられていました。

川の水に、物を石に変える力があるという話です。

浪速の人が試す

それを聞いた浪速の人が、確かめようと器を送りました。

噂を聞いて、実物で試しているわけです。

浪速は、今の大阪です。

戻ってきた器

返却されてきた化石化した器は、見るからに人が作った物だったといいます。

書き手は、そのように見たと記しています。

川の力を否定する語は使われていません。 記されたのは、見た印象だけです。

化石渓の伝承地域

公的データベースの地域欄は福井県大野市を示します。記録の表記は越前国大野領です。

大野は九頭竜川の上流の盆地にあたります。 川の名そのものは書かれていません。

大野(おおの)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

大野の所在地:福井県大野市

記録では越前国大野領と記されます。

川の名は資料に書かれていません。

化石渓の正体と考えられているもの

化石渓は、物を石に変えると噂された川です

話の運びが変わっています。 噂があり、試す人が出て、戻ってきた物を見るという順です。

江戸の随筆らしい、確かめる目が入っています。

この図鑑には石棺(島根)も収めています。

化石渓が登場する作品

化石渓を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは江戸期の随筆を収めた叢書です。

物が石になるという言い伝えは各地にあり、温泉の石灰分による現象が背景にある例もあります。この図鑑には石棺(島根)も収めています。

化石渓が登場する随筆

日本随筆大成第3期

吉川弘文館の叢書です。田宮橘庵「愚雑俎」を収めます。

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化石渓についてよくある質問

化石渓とは何ですか。

福井県大野市に伝わる谷川で、物を沈めれば石になると伝えられました。

誰が試したのですか。

噂を聞いた浪速、つまり大阪の人が器を送って確かめました。

結果はどうでしたか。

返ってきた器は見るからに人が作った物だったと記されています。

いつの記録ですか。

江戸期の随筆「愚雑俎」によります。

化石渓と併せて覚えたい言葉・用語

浪速(なにわ)

大阪の古い呼び名です。

大野領(おおのりょう)

越前国大野の藩領。現在の福井県大野市にあたります。

愚雑俎(ぐざっそ)

田宮橘庵の随筆。各地の見聞を集めています。

化石渓の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「化石渓」