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千葉県

コブガワラ様(こぶがわらさま)とはどんな妖怪か|姿と伝承

コブガワラ様  / コブガワラサマ

天狗 各地の伝説

千葉県君津市で、火事のときに屋根へ握り飯を上げると火をそらすという天狗。

コブガワラ様の姿を描いた図

Σ64 「濃溝の滝(千葉県君津市)」 2017年 / CC BY 3.0 出典

コブガワラ様とはどんな妖怪か

コブガワラ様はひとことで言えば、握り飯で火をそらす天狗です。千葉県君津市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、横山登美子周南村の心意伝承」(『民俗』通巻47号、1962年、5頁)を典拠に、近所に火災があっておっかなくなってきたら、1升御飯を炊いておむすびにし、おはちの蓋に入れ、屋根の上にのせる。その時「コブガワラ様に上げます」と言う。コブガワラ様というのはおっかない天狗で、こうすると火は別の方へ向くというと記します。

やり方が細かく決まっています。

一升の飯、おはちの蓋屋根の上、そして声に出す言葉 どれも省けません。

コブガワラ様の漢字表記と読み方

読みは「こぶがわらさま」です。

おはちは炊いた飯を入れる木の器で、その蓋を使います。 一升はおよそ一・八リットルです。

唱える言葉はコブガワラ様に上げますです。

この図鑑には天狗(各地)も収めています。そちらは山の主として語られます。

コブガワラ様(こぶがわらさま)

日文研データベースが示す呼称。

天狗様(てんぐさま)

記録が併記する呼び名です。

コブガワラ様の姿と特徴

コブガワラ様に姿はありません。記録にあるのは、やり方と、効き目です。

するとき … 近所に火災があっておっかなくなったとき。
炊く量 … 一升。
… おむすび。
入れるもの … おはちの蓋。
置く場所 … 屋根の上。
言う言葉 … コブガワラ様に上げます。

こうすると、火は別の方へ向くといいます。

コブガワラ様の伝承記録

  1. 近所が燃える
  2. 屋根に握り飯を上げる
  3. 火が別の方へ向く

近所が燃える

近所に火災があって、おっかなくなってきたときにします。

自分の家が燃える前です。

屋根に握り飯を上げる

1升御飯を炊いておむすびにし、おはちの蓋に入れ、屋根の上にのせます。

その時「コブガワラ様に上げます」と言います。

供えるだけでなく、声に出します

火が別の方へ向く

コブガワラ様というのはおっかない天狗で、こうすると火は別の方へ向くといいます。

火を消すのではありません。

向きを変えるという言い方です。

コブガワラ様の伝承地域

公的データベースの地域欄は千葉県君津市を示します。

旧周南村は君津市の内陸部にあたります。

君津市(きみつし)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

君津市の所在地:千葉県君津市

報告は相模民俗学会の民俗によります。

報告の題は周南村の心意伝承です。

コブガワラ様の正体と考えられているもの

コブガワラ様は、火の向きを変える天狗です

祟りという語は使われていません。 記されているのは、おっかないという言い方と、別の方へ向くことです。

それでも、上げるものまで決まっています。

この図鑑には天狗(各地)も収めています。

コブガワラ様が登場する作品

コブガワラ様を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは学会誌です。

火をそらすまじないは各地にあり、屋根の上に供える形をとることがあります。この図鑑には天狗(各地)も収めています。

コブガワラ様が登場する学会誌

民俗

相模民俗学会の学会誌です。1962年の号に横山登美子の報告が載ります。

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コブガワラ様についてよくある質問

コブガワラ様とは何ですか。

千葉県君津市で、おっかない天狗とされたものです。

何をしますか。

一升の飯を握り飯にし、おはちの蓋に入れて屋根の上にのせると記録されています。

何と言いますか。

「コブガワラ様に上げます」と言うとされます。

どんな効き目がありますか。

火は別の方へ向くといわれます。

コブガワラ様と併せて覚えたい言葉・用語

おはち(おはち)

炊いた飯を入れておく木の器です。

一升(いっしょう)

およそ一・八リットルにあたる量です。

周南村(しゅうなんむら)

千葉県の旧村名。今の君津市にあたります。

コブガワラ様の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「コブガワラ様,天狗」