千葉県君津市で、火事のときに屋根へ握り飯を上げると火をそらすという天狗。

コブガワラ様とはどんな妖怪か
コブガワラ様はひとことで言えば、握り飯で火をそらす天狗です。千葉県君津市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、横山登美子「周南村の心意伝承」(『民俗』通巻47号、1962年、5頁)を典拠に、近所に火災があっておっかなくなってきたら、1升御飯を炊いておむすびにし、おはちの蓋に入れ、屋根の上にのせる。その時「コブガワラ様に上げます」と言う。コブガワラ様というのはおっかない天狗で、こうすると火は別の方へ向くというと記します。
やり方が細かく決まっています。
一升の飯、おはちの蓋、屋根の上、そして声に出す言葉。 どれも省けません。
コブガワラ様の漢字表記と読み方
読みは「こぶがわらさま」です。
おはちは炊いた飯を入れる木の器で、その蓋を使います。 一升はおよそ一・八リットルです。
唱える言葉はコブガワラ様に上げますです。
この図鑑には天狗(各地)も収めています。そちらは山の主として語られます。
コブガワラ様(こぶがわらさま)
日文研データベースが示す呼称。
天狗様(てんぐさま)
記録が併記する呼び名です。
コブガワラ様の姿と特徴
コブガワラ様に姿はありません。記録にあるのは、やり方と、効き目です。
するとき … 近所に火災があっておっかなくなったとき。
炊く量 … 一升。
形 … おむすび。
入れるもの … おはちの蓋。
置く場所 … 屋根の上。
言う言葉 … コブガワラ様に上げます。
こうすると、火は別の方へ向くといいます。
コブガワラ様の伝承記録
近所が燃える
近所に火災があって、おっかなくなってきたときにします。
自分の家が燃える前です。
屋根に握り飯を上げる
1升御飯を炊いておむすびにし、おはちの蓋に入れ、屋根の上にのせます。
その時「コブガワラ様に上げます」と言います。
供えるだけでなく、声に出します。
火が別の方へ向く
コブガワラ様というのはおっかない天狗で、こうすると火は別の方へ向くといいます。
火を消すのではありません。
向きを変えるという言い方です。
コブガワラ様の伝承地域
公的データベースの地域欄は千葉県君津市を示します。
旧周南村は君津市の内陸部にあたります。
コブガワラ様の正体と考えられているもの
コブガワラ様は、火の向きを変える天狗です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、おっかないという言い方と、別の方へ向くことです。
それでも、上げるものまで決まっています。
この図鑑には天狗(各地)も収めています。
コブガワラ様が登場する作品
コブガワラ様を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは学会誌です。
火をそらすまじないは各地にあり、屋根の上に供える形をとることがあります。この図鑑には天狗(各地)も収めています。
コブガワラ様が登場する学会誌
民俗
相模民俗学会の学会誌です。1962年の号に横山登美子の報告が載ります。
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コブガワラ様についてよくある質問
コブガワラ様とは何ですか。
千葉県君津市で、おっかない天狗とされたものです。
何をしますか。
一升の飯を握り飯にし、おはちの蓋に入れて屋根の上にのせると記録されています。
何と言いますか。
「コブガワラ様に上げます」と言うとされます。
どんな効き目がありますか。
火は別の方へ向くといわれます。
コブガワラ様と併せて覚えたい言葉・用語
おはち(おはち)
炊いた飯を入れておく木の器です。
一升(いっしょう)
およそ一・八リットルにあたる量です。
周南村(しゅうなんむら)
千葉県の旧村名。今の君津市にあたります。
コブガワラ様の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。