青森県東通村で、文政七年に兵八の臍から大量の水とともに出たという異物。腹痛の末のことだった。

蚘蟲とはどんな妖怪か
蚘蟲は、腹から出た異物です。青森県下北郡東通村の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、滝沢馬琴「兎園小説」(『日本随筆大成第二期』吉川弘文館、1973年)を典拠に、話者を山崎美成として、奥州南部領蒲野沢村に住む兵八は、文政7年6月20日に異物をはき出した。去年から腹痛がひどかったので鍼を用いて直そうとすると背中に痛みが逃げた。そして次第に腹が大きく膨れ、最後には臍が破れて大量の水が数日出てきた中に蚘蟲と思われる異物が入っていたと記します。
痛みが動いています。
鍼を用いて直そうとすると背中に痛みが逃げたのです。
この図鑑には常元虫(滋賀)も収めています。
蚘蟲の漢字表記と読み方
読みは「ゆうちゅう」です。
「蚘」は腹の虫を指す字です。
「文政7年」は1824年にあたります。
「鍼」は、体に刺して治す細い針のことです。
この図鑑には常元虫(滋賀)も収めています。
蚘蟲(ゆうちゅう)
日文研データベースが示す呼称。
蒲野沢村(かばのさわむら)
記録が示す、兵八の住んだ村です。
蚘蟲の姿と特徴
蚘蟲の話は、記録に順を追って書かれています。
その人 … 奥州南部領蒲野沢村に住む兵八。
その日 … 文政7年6月20日。
したこと … 異物をはき出した。
去年からのこと … 腹痛がひどかった。
したこと … 鍼を用いて直そうとした。
そのときのこと … 背中に痛みが逃げた。
次第に … 腹が大きく膨れた。
最後には … 臍が破れた。
出てきたもの … 大量の水が数日。
その中にあったもの … 蚘蟲と思われる異物。
異物の形は書かれていません。
蚘蟲の伝承記録
文政七年の夏
奥州南部領蒲野沢村に住む兵八は、文政7年6月20日に異物をはき出しました。
日付がはっきりしています。
痛みが逃げる
去年から腹痛がひどかったので鍼を用いて直そうとすると背中に痛みが逃げました。
動いたのは痛みです。
腹が膨れる
そして次第に腹が大きく膨れました。
大きくなったのは腹です。
臍が破れる
最後には臍が破れて大量の水が数日出てきた中に蚘蟲と思われる異物が入っていました。
出てきたのは水と異物です。
蚘蟲の伝承地域
公的データベースの地域欄は青森県、市郡名の欄は下北郡、区町村名の欄は東通村を示します。
記録の南部領は、江戸のころ南部氏が治めた土地のことです。
蚘蟲の正体と考えられているもの
蚘蟲は、腹から出た異物です。
姿を持って現れたのではありません。 語られているのは、どこが痛んだかと、何が出たかです。
書き手が蚘蟲と思われると断りを入れているところが、随筆らしい慎みです。
この図鑑には常元虫(滋賀)も収めています。
蚘蟲が登場する作品
蚘蟲を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは随筆を集めた叢書です。
腹の中の虫は江戸のころ病のもとと考えられ、鍼や灸で追う図が数多く残されました。
蚘蟲が登場する随筆
日本随筆大成第二期
吉川弘文館が1973年に出した叢書です。滝沢馬琴の兎園小説を収めます。
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蚘蟲についてよくある質問
蚘蟲とは何ですか。
青森県東通村で、兵八の腹から出たと記録される異物です。
いつのことですか。
文政七年六月二十日、いまの1824年にあたります。
どんな経過でしたか。
腹痛の末に腹が膨れ、臍が破れて大量の水が出たといいます。
正体は分かっていますか。
記録は蚘蟲と思われる異物と書いています。
蚘蟲と併せて覚えたい言葉・用語
蚘(かい)
腹の虫を指す字です。
鍼(はり)
体に刺して治す細い針のことです。
東通村(ひがしどおりむら)
青森県下北郡の村です。
蚘蟲の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。