青森県の話。川に流した桑木人形。捨てられた神が祀られたくて眼を病ませたという。
カノキジンジョとはどんな妖怪か
カノキジンジョは、流されて戻ってきたオシラ神です。青森県の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、能田多代子「或大百姓」(『旅と伝説』三元社、1938年)を典拠に、話者を豪農佐々木權三の母として、男女一対のカノキジンジョ(桑木人形)はオゴオイサマと呼ばれるオシラ神で、これを祀る家には以前玉子の禁忌があって家では食べられなかったと記します。
流した先があります。
それでは困るといって先代が川に流した。すると先代が眼を病んで治らなくなったと続き、イタコに聞くと捨てたオシラガミが祀られたくて病ませているのだというので、近所の別当に作らせた。目が悪くなったり病気になるとこれに参ると結ばれます。
この図鑑には甘酒婆(青森)も収めています。
カノキジンジョの漢字表記と読み方
読みは「かのきじんじょ」です。
「カノキ」は桑の木、「ジンジョ」は人形のことです。
「オシラ神」は、東北の家で祀られる一対の神です。
「別当」は、社や堂を預かる人のことです。
この図鑑には甘酒婆(青森)も収めています。
カノキジンジョ(かのきじんじょ)
データベースの呼称欄は「カノキジンジョ,桑木人形,オゴナイサマ,オシラ神」と示します。
オシラ神(おしらがみ)
記録が示す神です。東北の家で祀られる一対の神をいいます。
イタコ(いたこ)
記録が示す人です。神や死者の言葉を伝える巫女をいいます。
カノキジンジョの姿と特徴
カノキジンジョの話は、記録に順を追って書かれています。
その姿 … 男女一対の桑木人形。
別の呼び名 … オゴオイサマ、オシラ神。
祀る家の決まり … 玉子の禁忌があって家では食べられなかった。
先代のしたこと … 困るといって川に流した。
起きたこと … 先代が眼を病んで治らなくなった。
尋ねた相手 … イタコ。
言われたこと … 捨てたオシラガミが祀られたくて病ませている。
そこでしたこと … 近所の別当に作らせた。
今の参り方 … 目が悪くなったり病気になるとこれに参る。
カノキジンジョの伝承記録
男女一対の人形
男女一対のカノキジンジョ(桑木人形)があります。
呼ばれるのはオシラ神です。
玉子の禁忌
これを祀る家には以前玉子の禁忌があって家では食べられませんでした。
避けたのは玉子です。
川に流す
それでは困るといって先代が川に流しました。
手放したのは神をです。
眼を病む
すると先代が眼を病んで治らなくなりました。
病んだのは流した人です。
イタコに聞く
イタコに聞くと、捨てたオシラガミが祀られたくて病ませているのだといいました。
告げたのは神の言い分です。
作り直す
近所の別当に作らせました。目が悪くなったり病気になるとこれに参ります。
戻したのは祀ることです。
カノキジンジョの伝承地域
公的データベースの地域欄は青森県を示すのみで、市郡名・区町村名の欄は空欄です。
話者として豪農佐々木權三の母の名が記録に挙がっています。
カノキジンジョの正体と考えられているもの
カノキジンジョは、流されて戻ってきたオシラ神です。
恐ろしいものの話ではありません。 語られているのは、禁忌が重くて流したことと、祀られたくて眼を病ませたことです。
捨てた神が病を通じて訴える運びは、東北のオシラ神の話に多く見られます。
この図鑑には甘酒婆(青森)も収めています。
カノキジンジョが登場する作品
カノキジンジョを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦前の雑誌に載った聞き書きです。
オシラ神は東北の家で祀られる一対の神で、桑の木で作られることが多いものです。
カノキジンジョが登場する雑誌
旅と伝説
三元社が出した雑誌です。1938年の号に或大百姓が載ります。
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カノキジンジョについてよくある質問
カノキジンジョとは何ですか。
青森県に伝わる、桑の木で作った男女一対の人形で、オシラ神のことです。
なぜ川に流したのですか。
祀る家には玉子の禁忌があり、それでは困るといって先代が流したと記されています。
そのあとどうなりましたか。
先代が眼を病んで治らなくなり、イタコに聞いて作り直したといいます。
今はどうしていますか。
目が悪くなったり病気になるとこれに参ると記されています。
カノキジンジョと併せて覚えたい言葉・用語
オシラ神(おしらがみ)
東北の家で祀られる一対の神です。桑の木で作られます。
イタコ(いたこ)
神や死者の言葉を伝える巫女のことです。
別当(べっとう)
社や堂を預かる人のことです。
カノキジンジョの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。