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青森県

異形の勇士(いぎょうのゆうし)とはどんな妖怪か|姿と伝承

異形の勇士  / イギョウノユウシ

人型の妖怪 各地の伝説

青森県弘前市の岩木山神社に伝わる話。田村麻呂の祈りに応え、大柳を振り回して賊軍を平定した。

異形の勇士の姿を描いた図

nnh 「岩木山神社拝殿(青森県弘前市)」 2006年 / パブリックドメイン 出典

異形の勇士とはどんな妖怪か

異形の勇士はひとことで言えば、祈りに応えて現れた助太刀です。青森県弘前市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、木村玄三玩具の伝説を語る」(『旅と伝説』8巻8号・通巻92号、1935年、7頁)を典拠に、次のように記します。

国幣小社岩木山神社では旧暦正月7日の7日堂で蘇民将来が授与される。これは次の古事による。延暦の頃、坂上田村麻呂が征夷の命を受けて奥羽に入ったが、容易に征服することができなかったので、神明の加護を仰ぐより他はないと祀誓を寵めた。すると霊験が直ちに現れてどこからか異形の勇士が来て傍の大柳を根抜きにして振り回し、賊軍に突入して一気に平定した

蘇民将来は、厄除けの護符です。岩木山神社では、旧暦正月7日に授けられます。

この話は、その護符の由来として語られています。

勇士の姿がどう「異形」だったかは書かれていません。

異形の勇士の漢字表記と読み方

読みは「いぎょうのゆうし」です。

異形」は普通と違う姿を指します鬼とも神とも書かれていません。

坂上田村麻呂は、平安初期に東北へ派遣された武将です各地に、田村麻呂にまつわる伝説が残ります。

この図鑑にも、悪路王大武丸など、田村麻呂に討たれた側の話を収めています。

異形の勇士(いぎょうのゆうし)

日文研データベースが示す表記。

イギョウノユウシ(いぎょうのゆうし)

同データベースの呼称読み。

異形の勇士の姿と特徴

異形の勇士の姿は、記録されていません。分かるのは、行いだけです。

現れ方 … どこからともなく来た。
武器 … 傍の大柳を根抜きにして振り回した。
結果 … 賊軍に突入し、一気に平定した。

顔つき、背丈、名は書かれていません。

去り方も記録されていません。

異形の勇士の伝承記録

  1. 大柳を根ごと抜いて振り回す
  2. 蘇民将来の由来として語られる

大柳を根ごと抜いて振り回す

田村麻呂は、征夷の命を受けて奥羽に入りましたが、容易に征服できませんでした

そこで神明の加護を仰ぎます。

すると、霊験が直ちに現れて、どこからか異形の勇士が来ました

勇士は、傍の大柳を根抜きにして振り回しました。

刀ではなく、木そのものを武器にしています。人の力を超えた姿が、これで示されます。

蘇民将来の由来として語られる

この話は、岩木山神社の蘇民将来の由来として記録されています。

蘇民将来は、厄除けの護符です。全国の社寺で授けられますが、土地ごとに由来の語りが違います

岩木山神社では、旧暦正月7日の七日堂で授けられます

報告の題は「玩具の伝説を語る」。 護符や玩具の由来を集めた記事の中にあります。

異形の勇士は、その護符の力を語るために現れます。

異形の勇士の伝承地域

記録の舞台は岩木山神社です。公的データベースの地域欄は青森県弘前市を示します。

神社は現在も岩木山の麓にあります。 勇士が現れたとされる場所は書かれていません。

岩木山神社(いわきやまじんじゃ)

記録が舞台とする神社

地図で開く

岩木山神社の所在地:青森県弘前市百沢寺沢27

記録は「国幣小社岩木山神社」と記します。旧暦正月7日に蘇民将来を授与するとあります。

勇士が現れたとされる場所は書かれていません。

異形の勇士の正体と考えられているもの

異形の勇士の正体は書かれていません。

神の使いとも、鬼とも記されていません。「異形」という語だけが与えられています。

祈りに応えて現れ、木を武器にして戦い、去りました。

神明の加護が、目に見える形をとったものとして語られています。

この力を伝えるために、蘇民将来の護符が授けられます。

異形の勇士が記録された資料

異形の勇士を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『旅と伝説』の記事です。

蘇民将来の護符は全国にあり、由来や形をまとめた本が出ています。岩木山神社の七日堂については、青森県の郷土資料が詳しい探し先です。

異形の勇士が記録された民俗資料

玩具の伝説を語る

木村玄三が『旅と伝説』8巻8号(1935年)に載せた中心資料です。

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異形の勇士についてよくある質問

異形の勇士とは何ですか。

岩木山神社に伝わる話です。坂上田村麻呂の祈りに応えて現れ、大柳を根ごと抜いて振り回し賊軍を平定したと伝えられます。

どんな姿ですか。

記録されていません。「異形」とだけ記され、顔つきや背丈は書かれていません。

蘇民将来とは何ですか。

厄除けの護符です。岩木山神社では旧暦正月7日の七日堂で授けられます。

田村麻呂の話はほかにもありますか。

あります。この図鑑では、悪路王や大武丸など、討たれた側の話も収めています。

異形の勇士と併せて覚えたい言葉・用語

蘇民将来(そみんしょうらい)

厄除けの護符。岩木山神社では旧暦正月7日に授けられます。

坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)

平安初期に東北へ派遣された武将。各地に伝説が残ります。

国幣小社(こくへいしょうしゃ)

戦前の社格の一つ。記録が岩木山神社に付した位です。

異形の勇士の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「異形の勇士」