本文へ移動

秋田県

取上石(とりあげいし)とはどんな妖怪か|姿と伝承

取上石  / トリアゲイシ

器物と草木 各地の伝説

秋田県男鹿市で、波に打ち落とされてもしばらくすると元へ戻るという石。

取上石の姿を描いた図

掬茶 「寒風山(秋田県男鹿市)」 2020年 / CC BY-SA 出典

取上石とはどんな妖怪か

取上石はひとことで言えば、元へ戻る石です。秋田県男鹿市の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、菊岡沾凉諸国里人談」(『日本随筆大成第二期』24巻、1975年、450頁)を典拠に、出羽国秋田の男鹿島の海岸に大石の上に一つの石が重なっていて、風雨の激しい時にはこの上の石が波で打ち落とされる。しかし暫くすると元の場所に戻ると記します。

誰が戻したかは書かれていません。

人が積み直したとも、ひとりでに戻ったとも書いていません。 戻るとだけあります。

取上石の漢字表記と読み方

読みは「とりあげいし」です。

諸国里人談は江戸時代の随筆で、諸国の珍しい話を集めたものです。 菊岡沾凉が書きました。

男鹿島は、今の男鹿半島を指す古い呼び方です。

どれも人の力を超えます

取上石(とりあげいし)

日文研データベースが示す呼称。

男鹿島(おがしま)

記録が示す古い呼び方です。

取上石の姿と特徴

取上石の姿は、記録に短く書かれています。

場所 … 男鹿島の海岸。
… 大石の上に一つの石が重なっている。
落ちるとき … 風雨の激しい時。
落とすもの … 波。
その後 … 暫くすると元の場所に戻る。
戻す者 … 記されていません。

大きさは書かれていません。

取上石の伝承記録

  1. 石が重なっている
  2. 波が落とす
  3. 元の場所に戻る

石が重なっている

出羽国秋田の男鹿島の海岸に、大石の上に一つの石が重なっています。

もとから、重なった形でした。

波が落とす

風雨の激しい時には、この上の石が波で打ち落とされます。

荒れた日には、下に落ちます

元の場所に戻る

しかし暫くすると、元の場所に戻ります。

誰が戻したかは書かれていません。

それが、この石が書き留められた理由です。

取上石の伝承地域

公的データベースの地域欄は秋田県男鹿市を示します。

男鹿は日本海に突き出た半島で、なまはげで知られます。

男鹿市(おがし)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

男鹿市の所在地:秋田県男鹿市

報告は日本随筆大成第二期の諸国里人談によります。

男鹿半島の海岸と記されます。

取上石の正体と考えられているもの

取上石は、戻ることが不思議とされた石です

祟りという語は使われていません。 記されているのは、落ちることと、戻ることだけです。

それでも、随筆に書き留められました

この図鑑にはなまはげ(秋田)も収めています。

取上石が登場する作品

取上石を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは随筆の叢書です。

元へ戻る石の話は各地にあり、動かしても戻るという形をとります。この図鑑には動かない石の話をほかにも収めています。

取上石が登場する随筆

日本随筆大成第二期

吉川弘文館の叢書です。24巻に諸国里人談が収められています。

東北の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

取上石についてよくある質問

取上石とは何ですか。

秋田県男鹿市の海岸にあり、大石の上に重なっているという石です。

何が起きますか。

風雨の激しい時に波で打ち落とされると記録されています。

その後どうなりますか。

暫くすると元の場所に戻るとされます。

誰が戻しますか。

記録には書かれていません。

取上石と併せて覚えたい言葉・用語

諸国里人談(しょこくりじんだん)

菊岡沾凉が書いた江戸時代の随筆です。

男鹿島(おがしま)

今の男鹿半島を指す古い呼び方です。

出羽国(でわのくに)

今の山形県と秋田県にあたる古い国名です。

取上石の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「取上石」