秋田県仙北市西木町で、返されるのを拒んだ獅子の念が腰かけた石に移ったという話。

Marho 「秋田内陸線 西明寺駅(秋田県仙北市西木町)」 2017年 / CC BY-SA 4.0 出典
雌獅子の念とはどんな妖怪か
雌獅子の念は、石に移った思いです。秋田県仙北市西木町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、東京女子大学文学部史学科「五、信仰 屋敷にまつる神」(『羽後檜木内川流域の民俗』1964年)を典拠に、権現様はAさんの内神。この内神の御神体はささら獅子の1つである雌獅子の念が移った石であるという。その獅子は八津ではささらを上演しないので堀之内に返すことになったが、どうしても行きたくないといって道端の石に腰を下ろしたときにその石に雌獅子の念が移ってしまったと記します。
動かないことで残りました。
「どうしても行きたくない」といって道端の石に腰を下ろしたのが始まりです。
雌獅子の念の漢字表記と読み方
読みは「めすじしのねん」です。
「ささら」は東北に伝わる獅子舞の一種です。
「内神」は、家の中にまつられる神のことです。
「御神体」は、神が宿るとされるものです。
「羽後」はいまの秋田県にあたる昔の国の名です。
雌獅子の念(めすじしのねん)
日文研データベースが示す呼称。
ささら獅子(ささらじし)
記録が示す、その獅子の種類です。
雌獅子の念の姿と特徴
雌獅子の念の話は、記録に順を追って書かれています。
まつられているもの … 権現様。Aさんの内神。
その御神体 … 雌獅子の念が移った石。
その獅子 … ささら獅子の一つ。
起きたこと … 八津ではささらを上演しないので堀之内に返すことになった。
獅子の言い分 … どうしても行きたくない。
したこと … 道端の石に腰を下ろした。
そのとき … その石に雌獅子の念が移った。
獅子頭の姿かたちは書かれていません。
雌獅子の念の伝承記録
ささらの獅子
その獅子はささら獅子の1つである雌獅子でした。
三頭のうちの一つです。
返すことになる
八津ではささらを上演しないので堀之内に返すことになりました。
理由は上演しないことでした。
道端の石に腰を下ろす
どうしても行きたくないといって道端の石に腰を下ろしました。
動かないと言いました。
石に念が移る
そのときにその石に雌獅子の念が移ってしまいました。
残ったのは石です。
雌獅子の念の伝承地域
公的データベースの地域欄は秋田県仙北市西木町を示します。
報告の題にある檜木内川は、この地を流れる川です。
雌獅子の念の正体と考えられているもの
雌獅子の念は、獅子頭の思いが移ったとされる石です。
祟った話ではありません。 語られているのは、行きたくないと言ったことと、石に移ったことです。
それを家の内神としてまつったところに、この話の落ち着き先があります。
雌獅子の念が登場する作品
雌獅子の念を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の郷土調査団の報告書です。
動かなくなった神仏の像や獅子頭の話は各地にあり、その場にまつる由来として語られます。
雌獅子の念が登場する報告書
羽後檜木内川流域の民俗
東京女子大学史学科郷土調査団が1964年に出した報告です。
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雌獅子の念についてよくある質問
雌獅子の念とは何ですか。
秋田県仙北市西木町で、獅子頭の思いが移ったとされる石です。
なぜ返されることになったのですか。
八津ではささらを上演しないためと記録されています。
獅子は何と言ったのですか。
どうしても行きたくないと言ったといいます。
ささらとは何ですか。
東北に伝わる獅子舞の一種です。
雌獅子の念と併せて覚えたい言葉・用語
ささら(ささら)
東北に伝わる獅子舞の一種です。
内神(うちがみ)
家の中にまつられる神のことです。
羽後(うご)
いまの秋田県にあたる昔の国の名です。
雌獅子の念の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。