愛知県で、雨に溝の水が赤く染まり、火の玉が飛ぶと翌日に人が死んだという塚。

戦死塚の怪とはどんな妖怪か
戦死塚の怪はひとことで言えば、死の知らせが出る塚です。愛知県の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、大和啓成「三つの不思議」(『俚俗と民譚』1巻1号、1932年、19頁)を典拠に、東春日井郡守山町大字大森には、戦死塚という丘陵があり、セイセイ塚とも呼ばれる。小さい頃、雨が降ると、塚の下に掘ってある小溝の水が赤く染まる。死人の血が流れるからだという者もあった。雨の降る前の夜などには、フワフワと火の玉が飛んでゆくという。気持ちの悪い青光で、4、5尺ほど長さだという。翌日には、村の誰かが必ず死んだというと記します。
水の色と、火の玉と、翌日の死が並べられています。
火の玉の長さは4、5尺と記されます。 およそ1メートル半にあたります。
戦死塚の怪の漢字表記と読み方
読みは「せんしづかのかい」です。
「戦死塚」は戦で死んだ者を葬った塚を指すとみられます。 セイセイ塚とも呼ばれました。
塚の名が、そのまま血と火の話につながっています。
この図鑑には千人塚(山形)も収めています。そちらも戦死者を供養した塚です。
戦死塚(せんしづか)
日文研データベースが示す表記。
セイセイ塚(せいせいづか)
記録が併記する別の呼び名です。
戦死塚の怪の姿と特徴
戦死塚の怪の姿は、記録に段を追って書かれています。
場所 … 東春日井郡守山町大字大森の丘陵。
別の呼び名 … セイセイ塚。
雨のとき … 塚の下の小溝の水が赤く染まる。
その説明 … 死人の血が流れるからだという者もあった。
雨の降る前の夜 … フワフワと火の玉が飛んでゆく。
色 … 気持ちの悪い青光。
長さ … 4、5尺ほど。
翌日 … 村の誰かが必ず死んだ。
姿を持つものの記述はありません。 見えたのは色と光です。
戦死塚の怪の伝承記録
雨と赤い水
雨が降ると、塚の下に掘ってある小溝の水が赤く染まりました。
死人の血が流れるからだという者もありました。
土の色によるとも書かれていません。 語られたのは、血という見立てです。
青い火の玉
雨の降る前の夜などには、フワフワと火の玉が飛んでゆきました。
気持ちの悪い青光で、4、5尺ほどの長さだといいます。
丸い玉ではなく、長さのある光でした。
翌日の死
翌日には、村の誰かが必ず死んだといいます。
火の玉は、知らせとして受け取られました。
避ける手立ては書かれていません。 残っているのは、見た翌日のことだけです。
戦死塚の怪の伝承地域
公的データベースの地域欄は愛知県の広い範囲を示します。記録の表記は東春日井郡守山町大字大森です。
守山町は、のちに名古屋市守山区になりました。 大森はその中の地名です。
戦死塚の怪の正体と考えられているもの
戦死塚の怪は、死を先に知らせたとされる塚です。
現れたのは赤い水と青い火でした。
塚の名は戦で死んだ者を指します。 土地の記憶が、天気と結び付けて語られています。
この図鑑には千人塚(山形)も収めています。
戦死塚の怪が登場する作品
戦死塚の怪を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦前の郷土雑誌です。
火の玉は各地で語られ、人の死と結び付けられることが多くあります。この図鑑には金の神の火(愛媛)も収めています。
戦死塚の怪が登場する民俗雑誌
俚俗と民譚
単美社の雑誌です。1巻1号に大和啓成の報告が載ります。
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戦死塚の怪についてよくある質問
戦死塚の怪とは何ですか。
愛知県守山の大森にあった塚で、雨に水が赤く染まり、火の玉が飛ぶと翌日に人が死んだと伝わります。
なぜ水が赤くなるのですか。
死人の血が流れるからだという者もあったと記録されています。
火の玉はどんな様子でしたか。
気持ちの悪い青光で、4、5尺ほどの長さだったといいます。
別の呼び名はありますか。
セイセイ塚とも呼ばれました。
戦死塚の怪と併せて覚えたい言葉・用語
塚(つか)
土を盛った小さな丘。死者を葬った例があります。
尺(しゃく)
長さの単位。1尺はおよそ30センチです。
守山町(もりやまちょう)
愛知県の旧町名。現在の名古屋市守山区にあたります。
戦死塚の怪の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。