愛知県江南市で、撃ち殺された狐が死んだ娘に憑き、落とすと娘が死骸に戻ったという話。

立花左近 「曼陀羅寺の正堂(愛知県江南市前飛保町)」 2013年 / CC BY-SA 3.0 出典
キツネの霊とはどんな妖怪か
キツネの霊はひとことで言えば、落とせば終わる憑き物です。愛知県江南市布袋町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、伊藤正之助「クダギツネの話(布袋町村瀨德次郎氏談)」(『民間伝承』民間伝承の会、1942年)を典拠に、花という娘が、確かに死んだはずなのだが、また呼吸して、生活もするようになった。キツネがついているという評判になったので、勝之助という男がキツネを追い出すことになった。花についていたのは、鉄砲で撃ち殺されたキツネであった。白い布に包んだ管で花の身体のあちこちを押さえると、身体中に玉ができ、芋の揚げ物を五ついっぺんに食べた後、出ていった。キツネが出て行った途端、花は死骸に戻ったと記します。
動いていたのは狐のほうでした。
娘はすでに死んでいました。 狐を落としたとたん、死骸に戻っています。
キツネの霊の漢字表記と読み方
読みは「きつねのれい」です。
「クダギツネ」は、管に入るほど小さいとされた憑き物の狐です。
落とす手立てに「管」が使われているのは、その名と重なります。
この図鑑には狐憑き(各地)も収めています。布袋町のこの話は、憑かれた人がすでに死んでいたところが違います。
キツネの霊(きつねのれい)
日文研データベースが示す呼称。
クダギツネ(くだぎつね)
典拠の論文名に用いられている呼び方です。
キツネの霊の姿と特徴
キツネの霊の話は、記録にくわしく書かれています。
娘の名 … 花。
その状態 … 確かに死んだはずが、また呼吸して生活もするようになった。
評判 … キツネがついている。
落とした人 … 勝之助という男。
憑いていたもの … 鉄砲で撃ち殺されたキツネ。
使った道具 … 白い布に包んだ管。
したこと … 身体のあちこちを押さえる。
起きたこと … 身体中に玉ができた。
食べたもの … 芋の揚げ物を五ついっぺんに。
その後 … 出ていった途端、花は死骸に戻った。
狐の毛色や大きさは書かれていません。
キツネの霊の伝承記録
死んだはずの娘
花という娘が、確かに死んだはずなのですが、また呼吸して、生活もするようになりました。
「確かに死んだはず」と念を押しています。
撃ち殺された狐
花についていたのは、鉄砲で撃ち殺されたキツネでした。
殺されたのは狐のほうが先です。
管で押さえる
白い布に包んだ管で花の身体のあちこちを押さえると、身体中に玉ができました。
憑き物が玉の形で浮きました。
芋の揚げ物を五つ
芋の揚げ物を五ついっぺんに食べた後、出ていきました。
最後に求めたのは食べ物でした。
死骸に戻る
キツネが出て行った途端、花は死骸に戻りました。
動かしていたのは狐でした。
キツネの霊の伝承地域
公的データベースの地域欄は愛知県江南市布袋町を示します。
論文名に村瀨德次郎氏談とあり、語り手の名まで記されています。
キツネの霊の正体と考えられているもの
キツネの霊は、死者を動かしていたとされる狐です。
娘を救う話ではありません。 狐が出ていったとたん、花は死骸に戻っています。
典拠の題はクダギツネの話で、管に入る小さな狐として語られます。
この図鑑には狐憑き(各地)も収めています。
キツネの霊が登場する作品
キツネの霊を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦中の民俗学の雑誌です。
クダギツネは中部から関東にかけて語られた憑き物で、管に入る小ささが特徴とされます。
キツネの霊が登場する学会誌
民間伝承
民間伝承の会が出した雑誌です。1942年の号にクダギツネの話が載ります。
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キツネの霊についてよくある質問
キツネの霊とは何ですか。
愛知県江南市で、撃ち殺された狐が死んだ娘に憑いたと語られる話です。
どうやって落としたのですか。
白い布に包んだ管で身体のあちこちを押さえたと記録されています。
娘はどうなりましたか。
キツネが出て行った途端、死骸に戻ったといいます。
クダギツネとは何ですか。
管に入るほど小さいとされた憑き物の狐です。
キツネの霊と併せて覚えたい言葉・用語
クダギツネ(くだぎつね)
管に入るほど小さいとされた憑き物の狐です。
憑き物(つきもの)
人に取り憑くとされた霊や獣のことです。
布袋(ほてい)
愛知県江南市の地名です。
キツネの霊の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。