愛知県一宮市今伊勢町の石造の船。手水鉢にしようと運ぶと割れ、返した人は禍にあった。

Bariston 「真清田神社の拝殿(愛知県一宮市)」 2017年 / CC BY-SA 4.0 出典
岩船とはどんな妖怪か
岩船は、割れて返された石の船です。愛知県一宮市今伊勢町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、岡田挺之「秉穂録」(『日本随筆大成第一期』吉川弘文館、1976年)を典拠に、尾州一宮あたりの本神戸村に、岩船と呼ばれる石造の長1丈ほどの船があり、ある人が手水鉢にしようと人夫を使い取り寄せようとしたが、途中で三つに割れたと記します。
返しても済みませんでした。
それでは役に立たないと、元の場所へ返したが、その人は禍にあったと結ばれます。
この図鑑には二龍松(愛知)も収めています。
岩船の漢字表記と読み方
読みは「いわふね」です。
「尾州」は尾張国、今の愛知県西部にあたります。
「丈」は長さの単位で、一丈はおよそ3メートルです。
「人夫」は、力仕事のために雇われた人のことです。
この図鑑には二龍松(愛知)も収めています。
岩船(いわふね)
日文研データベースが示す呼称です。
本神戸村(もとごうどむら)
記録が示す村の名です。今の一宮市今伊勢町にあたります。
手水鉢(ちょうずばち)
記録が示す、使おうとした用途です。手を清める水をためる鉢をいいます。
岩船の姿と特徴
岩船の話は、記録に順を追って書かれています。
その場所 … 尾州一宮あたりの本神戸村。
あるもの … 岩船と呼ばれる石造の船。
その長さ … 1丈ほど。
した人 … ある人。
その考え … 手水鉢にしよう。
したこと … 人夫を使い取り寄せようとした。
起きたこと … 途中で三つに割れた。
その判断 … それでは役に立たない。
したこと … 元の場所へ返した。
その人の末 … 禍にあった。
どんな禍かは書かれていません。
岩船の伝承記録
石造の船
尾州一宮あたりの本神戸村に、岩船と呼ばれる石造の長1丈ほどの船があります。
あるのは石の船です。
手水鉢にしようとする
ある人が手水鉢にしようと人夫を使い取り寄せようとしました。
動かそうとしたのは人の都合でです。
三つに割れる
途中で三つに割れました。
割れたのは運ぶ途中でです。
返しても禍
それでは役に立たないと、元の場所へ返しましたが、その人は禍にあいました。
残ったのは禍です。
岩船の伝承地域
公的データベースの地域欄は愛知県、市郡名の欄は一宮市、区町村名の欄は今伊勢町を示します。
記録が示すのは本神戸村で、今の一宮市今伊勢町にあたります。
岩船の正体と考えられているもの
岩船は、割れて返された石の船です。
動いた話ではありません。 語られているのは、用途を変えようとしたことと、割れたあとに起きたことです。
元の場所へ返したにもかかわらず禍にあったというところが、この話の厳しさです。
この図鑑には二龍松(愛知)も収めています。
岩船が登場する作品
岩船を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは江戸時代の随筆です。
石造の船は各地にあり、神が乗ってきたものとして岩船の名で伝えられます。
岩船が登場する随筆
秉穂録
岡田挺之が書いた随筆です。日本随筆大成第一期に収められています。
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岩船についてよくある質問
岩船とは何ですか。
愛知県一宮市今伊勢町にあったという、石造りの船です。
どれくらいの大きさですか。
長さ一丈ほど、およそ3メートルだと記録されています。
何が起きましたか。
手水鉢にしようと運ぶ途中で三つに割れたといいます。
返した人はどうなりましたか。
元の場所へ返しましたが、禍にあったといいます。
岩船と併せて覚えたい言葉・用語
尾州(びしゅう)
尾張国のことで、今の愛知県西部にあたります。
手水鉢(ちょうずばち)
手を清める水をためる鉢です。
一宮市(いちのみやし)
愛知県の北西部にある市です。
岩船の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。