山梨県早川町で、七面山の池へ入った姫を追い、雨畑谷で水に入って亡くなったという宮様。

Yones 「井川雨畑林道の谷(山梨県南巨摩郡早川町)」 2010年 / パブリックドメイン 出典
池の宮様とはどんな妖怪か
池の宮様は、追いかけて届かなかった者です。山梨県南巨摩郡早川町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、都留文科大学民俗学研究会「Ⅸ口承文芸 §2伝説」(『雨畑の民俗 山梨県南巨摩郡早川町雨畑』1989年)を典拠に、竜神の申し子として生まれた姫が、父母を亡くして、七面山へ来て池へ入った。姫のことを気にかけていた池の宮様は富士川をさかのぼって訪ねてきたが、雨畑谷まできてて、そこがうっ蒼としているのに失望したのか、水の中へ入って亡くなってしまった。その池は稲又谷にあり、昔の人がタルと呼んだところである。そこに魂が留まったと記します。
道のりが書かれています。
池の宮様は富士川をさかのぼって訪ねてきましたが、雨畑谷で止まりました。
この図鑑には弓にとまった神様(山梨)も収めています。
池の宮様の漢字表記と読み方
読みは「いけのみやさま」です。
「申し子」は、神仏に祈って授かった子のことです。
「うっ蒼」は、木が茂って暗いようすです。
「タル」は記録が示す、その池の古い呼び名です。
この図鑑には弓にとまった神様(山梨)も収めています。
池の宮様(いけのみやさま)
日文研データベースが示す呼称。
竜神の申し子のお姫様(りゅうじんのもうしごのおひめさま)
記録が並べて示すもう一方の呼称です。
池の宮様の姿と特徴
池の宮様の話は、記録に順を追って書かれています。
その姫 … 竜神の申し子として生まれた姫。
起きたこと … 父母を亡くした。
したこと … 七面山へ来て池へ入った。
追ってきた者 … 姫のことを気にかけていた池の宮様。
その道のり … 富士川をさかのぼった。
着いたところ … 雨畑谷。
そこの様子 … うっ蒼としていた。
そのため … 失望したのか、水の中へ入って亡くなった。
その池 … 稲又谷にあり、昔の人がタルと呼んだところ。
そこに … 魂が留まった。
姫と宮様の姿かたちは書かれていません。
池の宮様の伝承記録
竜神の申し子
竜神の申し子として生まれた姫が、父母を亡くしました。
生まれが竜神からです。
七面山の池へ入る
姫は七面山へ来て池へ入りました。
入ったのは池です。
富士川をさかのぼる
池の宮様は富士川をさかのぼって訪ねてきました。
追ったのは川づたいでした。
雨畑谷で止まる
雨畑谷まできて、そこがうっ蒼としているのに失望したのか、水の中へ入って亡くなってしまいました。その池は稲又谷にあり、昔の人がタルと呼んだところです。
魂が留まったのはそこでした。
池の宮様の伝承地域
公的データベースの地域欄は山梨県南巨摩郡早川町を示します。
記録は七面山と稲又谷の名を挙げています。
池の宮様の正体と考えられているもの
池の宮様は、姫を追って水に入ったとされる者です。
祟る話ではありません。 語られているのは、追ってきた道のりと、そこで果てたことです。
その池をタルと呼んだという言い方に、土地の古い言葉が残っています。
この図鑑には弓にとまった神様(山梨)も収めています。
池の宮様が登場する作品
池の宮様を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の民俗学研究会の報告書です。
竜神の子が池に入る話は各地にあり、七面山では七面大明神の由来と結びついて語られます。
池の宮様が登場する報告書
雨畑の民俗
都留文科大学民俗学研究会が1989年に出した山梨県早川町雨畑の報告です。
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池の宮様についてよくある質問
池の宮様とは何ですか。
山梨県早川町で、姫を追って水に入り亡くなったと語られる者です。
姫とは誰ですか。
竜神の申し子として生まれた姫と記録されています。
どこまで来たのですか。
富士川をさかのぼって雨畑谷まで来たといいます。
タルとは何ですか。
稲又谷にあるその池を、昔の人がそう呼んだといいます。
池の宮様と併せて覚えたい言葉・用語
申し子(もうしご)
神仏に祈って授かった子のことです。
七面山(しちめんざん)
山梨県早川町にある、身延の信仰の山です。
富士川(ふじかわ)
山梨から静岡へ流れる川です。
池の宮様の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。