山形県鶴岡市で、茶屋をしていた美しい娘。琵琶湖で龍神の人身御供となり、言葉どおりになった。

Koda6029 「出羽三山神社の大鳥居と羽黒山(山形県鶴岡市)」 2015年 / CC BY-SA 4.0 出典
山のバツコとはどんな妖怪か
山のバツコは、言い残した言葉が当たった娘です。山形県鶴岡市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、戸川安章「羽黒山夜話(四)」(『旅と伝説』三元社、1943年)を典拠に、山のバッコと呼ばれた美しい山窩の娘が茶屋をしていた。あるとき、常民の男たちと伊勢参宮に行ったが、琵琶湖で龍神の人身御供となった。その際に彼女が言った通り、彼女の悪口を言ったものは3年以内に死んだというと記します。
言葉のほうが残りました。
その際に彼女が言った通りになったのです。
山のバツコの漢字表記と読み方
読みは「やまのばつこ」です。
「バッコ」は末娘や若い娘を指す土地の言葉です。
「山窩」は、定まった住まいを持たずに山を移り歩いたとされる人々を指した言い方です。
「常民」は、ふつうの里の人という意味です。
「人身御供」は、神に人を供えることです。
山のバツコ(やまのばつこ)
日文研データベースが示す呼称。
山のバッコ(やまのばっこ)
記録の本文はこの書き方です。
龍神(りゅうじん)
日文研データベースが並べて示す呼称です。
山のバツコの姿と特徴
山のバツコの話は、記録に順を追って書かれています。
その人 … 山のバッコと呼ばれた美しい山窩の娘。
していたこと … 茶屋。
したこと … 常民の男たちと伊勢参宮に行った。
起きたこと … 琵琶湖で龍神の人身御供となった。
そのとき言ったこと … その通りになった。
当たったこと … 彼女の悪口を言ったものは三年以内に死んだ。
言葉そのものは書き残されていません。
山のバツコの伝承記録
茶屋の娘
山のバッコと呼ばれた美しい山窩の娘が茶屋をしていました。
していたのは茶屋です。
伊勢参宮に出る
あるとき、常民の男たちと伊勢参宮に行きました。
連れは里の男たちでした。
琵琶湖で供となる
琵琶湖で龍神の人身御供となりました。
供えられた先は湖です。
悪口を言うと三年
その際に彼女が言った通り、彼女の悪口を言ったものは3年以内に死んだといいます。
残ったのは言葉です。
山のバツコの伝承地域
公的データベースの地域欄は山形県鶴岡市を示します。
論文名の羽黒山は、この市にある出羽三山の一つです。
山のバツコの正体と考えられているもの
山のバツコは、言い残した言葉が当たった娘です。
化けものではありません。 語られているのは、どこで供となったかと、そのあと何が起きたかです。
山窩の娘という出自が、里の側から見た距離を含んだ語り方になっています。
山のバツコが登場する作品
山のバツコを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは戦前の伝説雑誌です。
湖や川の神に人を供えたという話は各地にあり、供となった人の言葉が残る形をとります。
山のバツコが登場する雑誌
旅と伝説
三元社が出した伝説の雑誌です。1943年の号に羽黒山夜話(四)が載ります。
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山のバツコについてよくある質問
山のバツコとは何ですか。
山形県鶴岡市で、茶屋をしていたと語られる美しい娘です。
どうなったのですか。
琵琶湖で龍神の人身御供となったと記録されています。
何が当たったのですか。
彼女の悪口を言ったものは三年以内に死んだといいます。
山窩とは何ですか。
定まった住まいを持たずに山を移り歩いたとされる人々を指した言い方です。
山のバツコと併せて覚えたい言葉・用語
人身御供(ひとみごくう)
神に人を供えることです。
伊勢参宮(いせさんぐう)
伊勢神宮にお参りすることです。
羽黒山(はぐろさん)
山形県鶴岡市にある出羽三山の一つです。
山のバツコの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。