山形県小国町の家宝。雨乞山の頂で盥の水に浮かべると空へ舞い上がり、雨が降ったという。
アマリュウとはどんな妖怪か
アマリュウはひとことで言えば、雨を呼ぶ家宝です。山形県西置賜郡小国町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、『成城大学民俗調査報告書』2号(1977年、46頁)の「信仰」の項を典拠に、雨乞山の頂上で、家宝のアマリュウを2匹、洗足盥の水に浮かべると、アマリュウが空へ舞い上がり、雨が降った。雨がやむと、アマリュウは洗足盥に戻ったと記します。
アマリュウが何であるかは書かれていません。 家宝であり、二匹と数えられ、水に浮かべるものです。
洗足盥は、足を洗うための盥です。
舞い上がり、雨を降らせ、戻ってくる。 去りっぱなしにならないところが、この家宝の特徴です。
アマリュウの漢字表記と読み方
読みは「あまりゅう」です。
「アマ」は雨、「リュウ」は龍とみられます。雨を呼ぶ龍という名です。
ただし、記録に字の説明はありません。カタカナのまま記録されています。
二匹と数えられていることから、形のあるものだと分かります。
アマリュウ(あまりゅう)
日文研データベースが示す呼称。
雨龍(あまりゅう)
語の形に沿って字を当てた書き方。
アマリュウの姿と特徴
アマリュウの姿は記録されていません。分かるのは、扱い方です。
数 … 二匹。
扱い … 洗足盥の水に浮かべる。
場所 … 雨乞山の頂上。
動き … 空へ舞い上がる。雨がやむと盥に戻る。
大きさ、色、材質は書かれていません。
家宝として、家に伝わっていたことだけが分かります。
アマリュウの伝承記録
雨乞山の頂で水に浮かべる
雨乞山は、その名のとおり雨乞いをする山です。
そこへ家宝のアマリュウを二匹持って登り、洗足盥の水に浮かべます。
特別な祭壇でも、社でもありません。 足を洗う盥です。
すると、アマリュウが空へ舞い上がり、雨が降りました。
唱えごとや作法は記録されていません。 浮かべる、それだけです。
雨がやむと、盥に戻る
この記録でいちばん印象に残るのは、結びです。雨がやむと、アマリュウは洗足盥に戻った。
飛び去ったままにはなりません。 役目を終えて帰ってくるという形です。
家宝として代々伝えられたものが、必要なときだけ空へ上がり、また戻る。
雨乞いの道具として、繰り返し使えることを意味します。
いつまで行われていたかは記録されていません。
アマリュウの伝承地域
公的データベースの地域欄は山形県西置賜郡小国町を示します。
雨乞山の位置は書かれていないため、地図で指せるのは町の範囲までです。家宝であるため、訪ねて見る対象としては記録されていません。
小国町周辺(おぐにまちしゅうへん)
日文研データベースが示す伝承地域
小国町周辺の所在地:山形県西置賜郡小国町
成城大学の民俗調査報告書の調査地域に対応します。
雨乞山の位置や、家宝を持つ家の名は書かれていません。
アマリュウの正体と考えられているもの
アマリュウが何であるかは、記録から分かりません。
家宝であり、二匹と数えられ、水に浮かべると空へ上がるものです。
龍の形をした品とも、別のものとも書かれていません。
雨乞いに道具を使う例は各地にあります。竜の骨とされるもの、神社の宝物、山の池の水。 アマリュウも、その一つとして家に伝わっていました。
残ったのは、浮かべて舞い上がり、戻ってくるという手順です。
アマリュウが記録された資料
アマリュウを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の民俗調査報告書です。
雨乞いの習わしは全国にあり、まとめた本も出ています。併せて読むと、家宝を使う形の位置づけが見えてきます。
アマリュウが記録された民俗資料
成城大学民俗調査報告書
2号(1977年)の「信仰」の項に、アマリュウの記録があります。
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アマリュウについてよくある質問
アマリュウとは何ですか。
山形県小国町に伝わる家宝です。雨乞山の頂で盥の水に浮かべると空へ舞い上がり、雨が降ったと記録されています。
どんな形をしていますか。
記録されていません。二匹と数えられ、水に浮かべるものであることだけが分かります。
雨がやんだらどうなりますか。
洗足盥に戻ったと記録されています。
今も見られますか。
家宝として記録されており、所在も公開されていません。訪ねる対象としては記録されていません。
アマリュウと併せて覚えたい言葉・用語
雨乞い(あまごい)
雨を願う行い。山の頂や社で行われました。
洗足盥(せんそくだらい)
足を洗うための盥。アマリュウを浮かべたとされます。
家宝(かほう)
家に代々伝わる宝。アマリュウはその一つとされます。
アマリュウの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。