鳥取県で、山賊退治を願って川へ投じられ、のちに「中納言」と呼びかけたという薬師如来。
薬師像とはどんな妖怪か
薬師像は、呼びかけてきた仏です。鳥取県の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、蓮仏重寿「宮原羽子板」(『因伯民談』鳥取郷土会、1936年)を典拠に、金屋の千賊と言われて恐れられている山賊がいた。時の中納言藤原行平卿が征討に向かったが、数年に及んでも滅ぼすことができない。行平は征討使の権を取り上げられた。行平は責を感じ、天地神明に誓い薬師如来14体を刻み、犬山神山下の川中に投じ、ひたすら千賊の退治を願った。行平は神護により千賊を退治し、帰京した。ある日囲碁をしていると、「中納言」と呼ぶものがいる。見ると薬師如来の1体であったと記します。
追いかけてきています。
帰京したのちの囲碁の最中に、薬師如来の一体が呼びかけました。
薬師像の漢字表記と読み方
読みは「やくしぞう」です。
「中納言」は朝廷の官職の名です。
「征討」は、兵を出して討ち従えることです。
「神護」は、神の守りのことです。
「薬師如来」は病を治すとされる仏です。
薬師像(やくしぞう)
日文研データベースが示す呼称。
薬師如来(やくしにょらい)
記録が示す、その仏の名です。
薬師像の姿と特徴
薬師像の話は、記録に順を追って書かれています。
恐れられていた者 … 金屋の千賊と言われる山賊。
向かった人 … 時の中納言藤原行平卿。
困ったこと … 数年に及んでも滅ぼすことができない。
起きたこと … 征討使の権を取り上げられた。
行平のしたこと … 責を感じ、天地神明に誓って薬師如来十四体を刻んだ。
その置き場 … 犬山神山下の川中に投じた。
願ったこと … ひたすら千賊の退治。
その結果 … 神護により千賊を退治し、帰京した。
ある日 … 囲碁をしていると「中納言」と呼ぶものがいた。
見ると … 薬師如来の一体であった。
薬師像の大きさは書かれていません。
薬師像の伝承記録
金屋の千賊
金屋の千賊と言われて恐れられている山賊がいました。
手強い相手でした。
十四体を刻む
行平は責を感じ、天地神明に誓い薬師如来14体を刻みました。
数は十四体です。
川中に投じる
犬山神山下の川中に投じ、ひたすら千賊の退治を願いました。
願をかけたのは川にです。
中納言と呼ぶ
帰京ののち、ある日囲碁をしていると「中納言」と呼ぶものがいました。見ると薬師如来の1体でした。
追ってきたのは仏でした。
薬師像の伝承地域
公的データベースの地域欄は鳥取県までで、市郡までは示されていません。
論文名の因伯は、因幡と伯耆、いまの鳥取県にあたります。
薬師像の正体と考えられているもの
薬師像は、願をかけて川へ投じられた仏です。
祟った話ではありません。 語られているのは、十四体を刻んで投じたことと、のちに呼びかけてきたことです。
都まで追ってきた一体が、願の証として語られています。
薬師像が登場する作品
薬師像を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは鳥取の郷土会の雑誌です。
川や海に投じた仏像が現れる話は各地にあり、寺の縁起として語られます。
薬師像が登場する学会誌
因伯民談
鳥取郷土会が出した雑誌です。1936年の号に宮原羽子板が載ります。
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薬師像についてよくある質問
薬師像とは何ですか。
鳥取県で、山賊退治を願って川へ投じられたと語られる薬師如来です。
何体刻んだのですか。
十四体と記録されています。
結果はどうなりましたか。
神護により千賊を退治し、帰京したといいます。
そのあと何が起きましたか。
囲碁の最中に「中納言」と呼ぶものがおり、見ると薬師如来の一体だったといいます。
薬師像と併せて覚えたい言葉・用語
中納言(ちゅうなごん)
朝廷の官職の名です。
薬師如来(やくしにょらい)
病を治すとされる仏です。
因伯(いんぱく)
因幡と伯耆。いまの鳥取県にあたります。
薬師像の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。