本文へ移動

東京都

椋鳥と雀(むくどりとすずめ)とはどんな妖怪か|姿と伝承

椋鳥と雀  / ムクドリトスズメ

鳥の妖怪 各地の伝説

東京都で、文政七年に椋鳥と雀が喰い合い、見物人がおびただしかったという合戦。

椋鳥と雀の姿を描いた図

Carbonium 「湯島天満宮の表鳥居(東京都文京区湯島)」 2014年 / CC BY 3.0 出典

椋鳥と雀とはどんな妖怪か

椋鳥と雀は、日付まで残った鳥の合戦です。東京都の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、宮川政運宮川舎漫筆」(『日本随筆大成第一期』吉川弘文館、1976年)を典拠に、文政7年7月25日、椋鳥と雀が合戦をして、互いに喰い合っていた。場所は小石川馬場と真光寺と金性院と、加州侯の屋敷の森で、殊に湯島の金性院では見物人がおびただしく、鳥の死骸も多かった。どこの国かは忘れたが、狐の合戦があったというのは聞いた事があるが、椋鳥と雀の合戦というのは聞いた事がないと記します。

書き手が驚いています。

椋鳥と雀の合戦というのは聞いた事がない」と、自ら記しています。

椋鳥と雀の漢字表記と読み方

読みは「むくどりとすずめ」です。

「文政七年」は西暦一八二四年にあたります。

「加州侯」は加賀藩主のことで、その屋敷はいまの東京大学のあたりです。

「金性院」は湯島にあった寺の名です。

椋鳥と雀(むくどりとすずめ)

日文研データベースが示す呼称。

鳥合戦(とりがっせん)

同じたぐいの出来事に用いられる言い方です。

椋鳥と雀の姿と特徴

椋鳥と雀の合戦は、記録にくわしく書かれています。

日付 … 文政七年七月二十五日。
起きたこと … 椋鳥と雀が合戦をして、互いに喰い合っていた。
場所(一) … 小石川馬場。
場所(二) … 真光寺。
場所(三) … 金性院。
場所(四) … 加州侯の屋敷の森。
とりわけ … 湯島の金性院。
そこでのこと … 見物人がおびただしく、鳥の死骸も多かった。
書き手の言 … 狐の合戦は聞いたが、椋鳥と雀の合戦は聞いた事がない。

どちらが勝ったかは書かれていません。

椋鳥と雀の伝承記録

  1. 文政七年七月二十五日
  2. 互いに喰い合う
  3. 四か所で起きる
  4. 見物人がおびただしい

文政七年七月二十五日

文政7年7月25日、椋鳥と雀が合戦をしました。

日付が残っています。

互いに喰い合う

互いに喰い合っていました。

鳥どうしが喰い合っています。

四か所で起きる

場所は小石川馬場と真光寺と金性院と、加州侯の屋敷の森でした。

一か所ではありませんでした。

見物人がおびただしい

殊に湯島の金性院では見物人がおびただしく、鳥の死骸も多かったといいます。

人が集まっています。

椋鳥と雀の伝承地域

公的データベースの地域欄は東京都までで、区市までは示されていません。

記録は小石川湯島の地名を挙げています。

湯島(ゆしま)

記録が示す場所

地図で開く

湯島の所在地:東京都文京区湯島

報告は吉川弘文館の日本随筆大成によります。

記録は金性院という寺の名を挙げています。

小石川(こいしかわ)

記録が示す場所

地図で開く

小石川の所在地:東京都文京区小石川

記録は小石川馬場を挙げています。

加州侯の屋敷はいまの東京大学のあたりです。

椋鳥と雀の正体と考えられているもの

椋鳥と雀は、日付まで書き留められた鳥の合戦です

化けものは出てきません。 語られているのは、いつ、どこで、何が起きたかと、見物人が集まったことです。

書き手自身が「聞いた事がない」と記すところに、当時の驚きが残っています。

椋鳥と雀が登場する作品

椋鳥と雀を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは日本随筆大成に収められた宮川舎漫筆です。

鳥や獣の合戦は江戸の随筆に折々書き留められ、天変の知らせとして読まれました。

椋鳥と雀が登場する随筆

宮川舎漫筆

宮川政運の随筆。日本随筆大成第一期に収められています。

関東の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

椋鳥と雀についてよくある質問

いつの出来事ですか。

文政七年七月二十五日、西暦一八二四年と記録されています。

どこで起きたのですか。

小石川馬場・真光寺・金性院・加州侯の屋敷の森です。

見物人はいましたか。

湯島の金性院ではおびただしく、鳥の死骸も多かったといいます。

珍しいことですか。

書き手は「椋鳥と雀の合戦というのは聞いた事がない」と記しています。

椋鳥と雀と併せて覚えたい言葉・用語

文政(ぶんせい)

江戸時代の年号。文政七年は一八二四年です。

加州侯(かしゅうこう)

加賀藩主のことです。

漫筆(まんぴつ)

思いつくままに書き記したもののことです。

椋鳥と雀の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「椋鳥,雀」