栃木県さくら市で、子の咳に効くとして御神体を借りて回したという権現。

鶏権現とはどんな妖怪か
鶏権現はひとことで言えば、貸し出される神体です。栃木県さくら市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、小川聖「鶏権現縁日考」(『下野民俗』通巻40号、2000年、72頁)を典拠に、鶏権現は子供の咳の病に霊験があるとされ、風邪の季節になると連日連夜病に苦しむ子の親が御神体を借りにきた。他に咳に苦しむ子がいると御神体を祠に返さずに廻した。しかしどんなに病気が流行っても必ず祭礼の日にはお帰りになり、祭礼がすむとまたお出かけになったと記します。
祠に戻らないまま、家から家へ回ります。
それでも、祭礼の日には必ず帰ります。 出かけるという言い方が使われています。
鶏権現の漢字表記と読み方
読みは「とりごんげん」です。
権現は、仏が神の姿をかりて現れたものを指す言い方です。 各地に権現の名を持つ社があります。
咳の神は各地にあり、百日咳の流行と結び付いて祀られました。
どれも子どもの病に向きます。
鶏権現(とりごんげん)
日文研データベースが示す呼称。
御神体(ごしんたい)
借りて回されたものです。
鶏権現の姿と特徴
鶏権現に姿はありません。記録にあるのは、貸し借りの決まりです。
効くとされた病 … 子供の咳。
借りに来る時期 … 風邪の季節。
借りに来る人 … 病に苦しむ子の親。
回し方 … 他に咳の子がいると、祠に返さずに廻す。
戻る日 … 祭礼の日。
その後 … 祭礼がすむと、またお出かけになる。
御神体の形は書かれていません。
鶏権現の伝承記録
咳に効く神
鶏権現は子供の咳の病に霊験があるとされました。
大人ではなく、子どもの病です。
家から家へ回る
風邪の季節になると、連日連夜、病に苦しむ子の親が御神体を借りにきました。
他に咳に苦しむ子がいると、御神体を祠に返さずに廻しました。
社に留まる神ではありません。
祭礼には必ず帰る
どんなに病気が流行っても、必ず祭礼の日にはお帰りになりました。
祭礼がすむと、またお出かけになりました。
行き来が、年の決まりごとになっています。
鶏権現の伝承地域
公的データベースの地域欄は栃木県さくら市を示します。
さくら市は鬼怒川の東岸にあたり、氏家と喜連川からなります。
鶏権現の正体と考えられているもの
鶏権現は、歩き回る神体です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、借りにきたことと、帰ることだけです。
それでも、祭礼の日は動きません。
この図鑑には咳の神にまつわる話をほかにも収めています。
鶏権現が登場する作品
鶏権現を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは学会誌です。
咳の神は各地にあり、子どもの病を治すとして祀られました。この図鑑には咳の神にまつわる話をほかにも収めています。
鶏権現が登場する学会誌
下野民俗
下野民俗研究会の学会誌です。2000年の号に小川聖の論考が載ります。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
鶏権現についてよくある質問
鶏権現とは何ですか。
栃木県さくら市で、子供の咳の病に効くとされた権現です。
どうやって願いますか。
御神体を借りてくると記録されています。
返さないこともありますか。
他に咳の子がいると、祠に返さずに廻したとされます。
いつ祠に戻りますか。
祭礼の日には必ずお帰りになったと記されています。
鶏権現と併せて覚えたい言葉・用語
権現(ごんげん)
仏が神の姿をかりて現れたものを指す言い方です。
御神体(ごしんたい)
神が宿るとされる、社の中心のものです。
さくら市(さくらし)
栃木県の市。氏家と喜連川からなります。
鶏権現の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。