静岡県南伊豆町の権現。誓いを果たさず出た船は動かなくなり、帆柱を海に投じて助かった。

アラツク 「石廊崎の灯台(静岡県賀茂郡南伊豆町)」 2014年 / CC BY-SA 4.0 出典
石廊権現とはどんな妖怪か
石廊権現は、約束を取り立てる神です。静岡県賀茂郡南伊豆町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、丸山角治「船咎めの神-人間に祭りを覔める神々の啓示-」(『旅と伝説』三元社、1940年)を典拠に、引用文献を『伊豆伝説集』として、石廊権現に祈念して誓いを立てたものの、その約束を果たさず船を漕ぎ出した船頭は、航海途中に船が動かなくなり、恐ろしい力で海底に引き込まれそうになるという経験をすると記します。
払えば解けます。
驚いた船頭が約束通り帆柱を海に投ずると、無事そのまま航海が続けられたと結ばれます。
この図鑑には霊石(静岡)も収めています。
石廊権現の漢字表記と読み方
読みは「いろうごんげん」です。
「石廊」は、伊豆半島の南端にある石廊崎の名にちなみます。
「権現」は、仏が神の姿をとって現れたものをいいます。
「祈念」は、心をこめて祈ることです。
この図鑑には霊石(静岡)も収めています。
石廊権現(いろうごんげん)
日文研データベースが示す呼称です。
帆柱(ほばしら)
記録が示す、海に投じたものです。帆を張る柱をいいます。
石廊権現の姿と特徴
石廊権現の話は、記録に順を追って書かれています。
その神 … 石廊権現。
したこと … 祈念して誓いを立てた。
破ったこと … その約束を果たさず船を漕ぎ出した。
その人 … 船頭。
航海途中のこと(一) … 船が動かなくなった。
航海途中のこと(二) … 恐ろしい力で海底に引き込まれそうになった。
船頭のしたこと … 約束通り帆柱を海に投じた。
その結果 … 無事そのまま航海が続けられた。
神の姿は書かれていません。
石廊権現の伝承記録
祈念して誓う
石廊権現に祈念して誓いを立てました。
交わしたのは約束です。
果たさず漕ぎ出す
その約束を果たさず船を漕ぎ出しました。
置き去りにしたのは誓いです。
船が動かない
航海途中に船が動かなくなり、恐ろしい力で海底に引き込まれそうになりました。
止められたのは船です。
帆柱を投ずる
驚いた船頭が約束通り帆柱を海に投ずると、無事そのまま航海が続けられました。
差し出したのは帆柱です。
石廊権現の伝承地域
公的データベースの地域欄は静岡県、市郡名の欄は賀茂郡、区町村名の欄は南伊豆町を示します。
報告の題は船咎めの神で、船を止める神をまとめて扱ったものです。
石廊権現の正体と考えられているもの
石廊権現は、約束を取り立てる神です。
船を沈める話ではありません。 語られているのは、誓いを破ったことと、果たした途端に船が動いたことです。
投じたのが帆柱という、船にとって欠かせないものであるところが重い点です。
この図鑑には霊石(静岡)も収めています。
石廊権現が登場する作品
石廊権現は、船乗りの信仰とともに伊豆で語り継がれてきました。読めるのは戦前の雑誌の報告と、そこに引かれた伝説集です。
約束を果たすまで船が動かない話は各地の岬にあり、帆柱や積荷を差し出して解かれます。
石廊権現が登場する雑誌
旅と伝説
三元社が出した雑誌です。1940年の号に船咎めの神が載ります。
石廊権現が登場する地域の伝説集
伊豆伝説集
伊豆の伝説を集めた本です。報告はこの書を引いています。
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石廊権現についてよくある質問
石廊権現とは何ですか。
静岡県南伊豆町の石廊崎にまつられる権現です。
何が起きたのですか。
誓いを果たさず出た船が動かなくなり、海底に引き込まれそうになったといいます。
どうやって助かりましたか。
約束通り帆柱を海に投じると、無事に航海が続けられたといいます。
帆柱とは何ですか。
帆を張るための柱で、船にとって欠かせないものです。
石廊権現と併せて覚えたい言葉・用語
権現(ごんげん)
仏が神の姿をとって現れたものをいいます。
帆柱(ほばしら)
帆を張るための柱です。
石廊崎(いろうざき)
伊豆半島の南端にある岬です。
石廊権現の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。