大阪府能勢町で、嫁入りの道中が墓の前を通ると悪報があるとされた姫。

KENPEI 「能勢妙見山の大黒堂(大阪府豊能郡能勢町)」 2009年 / CC BY-SA 3.0 出典
名月姫とはどんな妖怪か
名月姫はひとことで言えば、嫁入りを見たがらない墓です。大阪府豊能郡能勢町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、太田陸郎「名月姫伝説を訪ねて」(『旅と伝説』9巻6号/通巻102号、1936年、44頁)を典拠に、源平の頃、平清盛に見染められた名月姫が許婚者と自害した後に建てられた墓は、嫁入りの道中が通ると姫がけなるがるために悪報があるというと記します。
理由がはっきり書かれています。
恨みでも、祟りでもありません。 けなるがる、つまりうらやましがるからです。
名月姫の漢字表記と読み方
読みは「めいげつひめ」です。
けなるがるは、うらやましがるという意味の古い言い方です。 各地の方言に残ります。
源平の頃は、十二世紀のおわりごろにあたります。
どれも通り道が決まっています。
名月姫(めいげつひめ)
日文研データベースが示す呼称。
けなるがる(けなるがる)
うらやましがるという意味の言い方です。
名月姫の姿と特徴
名月姫に姿はありません。記録にあるのは、由来と、避けることです。
時代 … 源平の頃。
見染めた人 … 平清盛。
姫がしたこと … 許婚者と自害した。
その後 … 墓が建てられた。
避けること … 嫁入りの道中がその前を通ること。
理由 … 姫がけなるがるため。
通ると悪報があるといわれます。
名月姫の伝承記録
清盛に見染められる
源平の頃、平清盛に名月姫が見染められました。
望まれた側に、許婚者がいました。
許婚者と自害する
姫は許婚者と自害しました。
添えなかった二人が、ともに死んでいます。
嫁入りの道が避ける
その後に建てられた墓は、嫁入りの道中が通ると悪報があるといいます。
姫がけなるがるためです。
避けられているのは、嫁入りだけです。
名月姫の伝承地域
公的データベースの地域欄は大阪府豊能郡能勢町を示します。
能勢町は大阪府の最北端にあたり、京都府と兵庫県に接します。
名月姫の正体と考えられているもの
名月姫は、うらやましがるとされた霊です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、悪報があるという言い方だけです。
それでも、理由が書かれています。
この図鑑には嫁入りを避ける道の話をほかにも収めています。
名月姫が登場する作品
名月姫を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは雑誌の報告です。
嫁入りが避ける場所の話は各地にあり、添えなかった人の墓であることが多くあります。この図鑑には嫁入りを避ける道の話をほかにも収めています。
名月姫が登場する雑誌
旅と伝説
三元社の雑誌です。1936年の号に太田陸郎の名月姫伝説が載ります。
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名月姫についてよくある質問
名月姫とは何ですか。
大阪府能勢町に墓が伝わる、源平の頃の姫です。
何が起きましたか。
平清盛に見染められ、許婚者と自害したと記録されています。
墓の前を通るとどうなりますか。
嫁入りの道中が通ると悪報があるとされます。
なぜですか。
姫がけなるがる、つまりうらやましがるためと記されています。
名月姫と併せて覚えたい言葉・用語
けなるがる(けなるがる)
うらやましがるという意味の言い方です。
許婚者(いいなずけ)
結婚の約束をした相手のことです。
能勢町(のせちょう)
大阪府豊能郡の町。府の最北端です。
名月姫の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。