大阪府摂津市で、雨の夜に森から出て社を飛び回り、火縄の火を見せると消えたという火の玉。

Tetumusi 「安威川(大阪府摂津市)」 2005年 / CC BY-SA 3.0 出典
火の魂とはどんな妖怪か
火の魂はひとことで言えば、理屈を付けて説明された火の玉です。大阪府摂津市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、著者未詳「浪華百事談」(『日本随筆大成第3期』2巻、1976年、92頁)を典拠に、島下郡別府村で、雨の夜に森から火の玉が現れ、田んぼの中にある社の周りを飛び回り、木の上に止まる。火縄の火を見せれば消える。これは初夏の長雨の後に湿地に熱がこもり陰陽剋したために地中から火が現れたもので、全国にこのようなことはあると記します。
書き手が理由を付けています。
霊とは書きません。 湿地に熱がこもったという説明が、そのまま記録に入っています。
火の魂の漢字表記と読み方
読みは「ひのたましい」です。
火縄は、火をつけた縄で、昔の火種の持ち歩き方です。 それを見せると消えたと書かれています。
陰陽剋するとは、陰と陽がぶつかるという当時の言い方です。
この図鑑には人魂(各地)も収めています。そちらは霊として語られます。
火の魂(ひのたましい)
日文研データベースが示す呼称。
島下郡別府村(しましもぐんべふむら)
記録が示す古い地名です。
火の魂の姿と特徴
火の魂の姿は、記録に短く書かれています。
出る天気 … 雨の夜。
出る場所 … 森。
飛ぶ場所 … 田んぼの中にある社の周り。
止まる場所 … 木の上。
消す方法 … 火縄の火を見せる。
書き手の説明 … 湿地に熱がこもり、地中から火が現れたもの。
人の霊だとは書かれていません。
火の魂の伝承記録
雨の夜に森から出る
島下郡別府村で、雨の夜に森から火の玉が現れました。
場所と天気が、はっきり書かれています。
社を飛び回る
田んぼの中にある社の周りを飛び回り、木の上に止まります。
動きに順序があります。 回って、止まります。
火縄の火で消える
火縄の火を見せれば消えます。
これは初夏の長雨の後に湿地に熱がこもり陰陽剋したために地中から火が現れたもので、全国にこのようなことはあると記されています。
書き手は、怪異ではないという側に立っています。
火の魂の伝承地域
公的データベースの地域欄は大阪府摂津市を示します。
島下郡別府村は今の摂津市にあたります。
火の魂の正体と考えられているもの
火の魂は、理屈で片づけられた火の玉です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、現れ方と、書き手の説明です。
それでも、消し方が伝わっています。
この図鑑には人魂(各地)も収めています。
火の魂が登場する作品
火の魂を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは随筆の叢書です。
火の玉の話は各地にあり、霊とする見方と自然の火とする見方が並びます。この図鑑には人魂(各地)も収めています。
火の魂が登場する随筆
日本随筆大成第3期
吉川弘文館の叢書です。2巻に浪華百事談が収められています。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
火の魂についてよくある質問
火の魂とは何ですか。
大阪府摂津市の旧別府村で、雨の夜に森から現れたとされる火の玉です。
どうすれば消えますか。
火縄の火を見せれば消えると記録されています。
霊ですか。
書き手は、湿地に熱がこもって地中から出た火だと説明しています。
どこを飛びますか。
田んぼの中にある社の周りを飛び回り、木の上に止まるとされます。
火の魂と併せて覚えたい言葉・用語
火縄(ひなわ)
火をつけた縄。昔の火種の持ち歩き方です。
浪華百事談(なにわひゃくじだん)
大阪の事物を記した随筆です。
島下郡(しましもぐん)
摂津国の郡名。今の摂津市などにあたります。
火の魂の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。