新潟県三条の庭にある石臼。穴から風が吹き出し、火を近づけるとよく燃えたという。

風の吹く石臼とはどんな妖怪か
風の吹く石臼はひとことで言えば、燃える風を出す臼です。新潟県三条市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、山川素石・細川宗春の記録(『日本随筆大成第二期』1974年)を典拠に、越後国三条村の百姓の庭に石臼があり、この臼の穴から風が吹き出て、火を近づけるとよく燃えるという。この家の下は泥で、その泥の油から風が出るのだろうと記します。
臼の穴から風が出る。 火を近づけると、その風がよく燃えます。
記録はさらに、説明を付けています。 この家の下は泥で、その泥の油から風が出るのだろう。
怪異として書きながら、原因を土の下に求めています。
新潟は、古くから石油や天然ガスが地表に出る土地として知られてきました。
風の吹く石臼の漢字表記と読み方
読みは「かぜのふくいしうす」です。
日文研データベースの呼称は「石臼」ですが、それだけでは道具の名と区別がつきません。この図鑑では、記録の中身が分かる見出しにしています。
石臼は、穀物を挽く石の道具です。中央に穴があります。 その穴から風が出た、という話です。
風の吹く石臼(かぜのふくいしうす)
この図鑑での見出し。記録の呼称は「石臼」です。
石臼(いすうす)
日文研データベースが示す呼称。
風の吹く石臼の姿と特徴
この記録に妖怪の姿はありません。あるのは、臼と風です。
場所 … 越後国三条村の百姓の庭。
もの … 石臼。
出来事 … 臼の穴から風が吹き出る。
性質 … 火を近づけるとよく燃える。
記録者の見立て … 家の下の泥の油から風が出るのだろう。
音や光については書かれていません。
風の吹く石臼の伝承記録
穴から風が吹き出る
石臼の中央には穴があります。 穀物を入れるための穴です。
その穴から、風が吹き出ていました。
そして、火を近づけるとよく燃えました。
風が燃える——燃える成分を含んだ気ということになります。
庭にある道具から、燃える風が出る。 驚くべき出来事として書き留められています。
「泥の油から出るのだろう」
記録は、そこで終わりません。この家の下は泥で、その泥の油から風が出るのだろうと書きます。
怪異ではなく、土の下の油に原因を求めています。
新潟は、古くから石油や可燃性のガスが地表に出る土地として知られます。「燃える水」「燃える土」の記録が各地に残ります。
この記録も、その一つとして読めます。
江戸期の随筆が、目の前の不思議を土地の性質で説明しようとした例です。
風の吹く石臼の伝承地域
記録は越後国三条村と記します。公的データベースの地域欄は新潟県三条市です。
家や臼の現在は書かれていないため、地図で指せるのは市の範囲までです。
風の吹く石臼の正体と考えられているもの
この記録の面白さは、書き手自身が原因を推測している点にあります。
臼の穴から燃える風が出る。 その原因を、家の下の泥の油に求めています。
新潟には、地面から可燃性のガスや油が出る場所が古くから知られてきました。この記録も、その土地の性質を伝えている可能性があります。
妖怪の名は与えられていません。 不思議として書き留め、説明を添えた記録です。
風の吹く石臼が登場する作品
この石臼を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは日本随筆大成に収められた記録です。
新潟の燃える水(石油)や天然ガスの記録は、地元の資料館や郷土資料にまとめられています。併せて読むと、この記述の背景が見えてきます。
風の吹く石臼が登場する古典籍
日本随筆大成第二期
山川素石・細川宗春の記録が収められています。
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風の吹く石臼についてよくある質問
風の吹く石臼とは何ですか。
新潟県三条の百姓の庭にあったとされる石臼です。穴から風が吹き出し、火を近づけるとよく燃えたと記録されています。
なぜ燃えるのですか。
記録は、家の下の泥の油から風が出るのだろうと書いています。
妖怪の話ですか。
妖怪としては語られていません。不思議な出来事として書き留められ、説明が添えられています。
今も見られますか。
資料に現在の記載はありません。記録は越後国三条村とだけ記します。
風の吹く石臼と併せて覚えたい言葉・用語
石臼(いしうす)
穀物を挽く石の道具。中央の穴から風が出たとされます。
燃える水(もえるみず)
地表に出た石油の古い呼び方。新潟に記録が残ります。
日本随筆大成(にほんずいひつたいせい)
江戸期の随筆を集めた叢書。この記録も収められています。
風の吹く石臼の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。