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奈良県

乞食坊主(こじきぼうず)とはどんな妖怪か|姿と伝承

乞食坊主  / コジキボウズ

人型の妖怪 各地の伝説

奈良県宇陀郡で、大晦日に宿を借り、元旦に黄金になっていたという坊主。

乞食坊主の姿を描いた図

Saigen Jiro 「室生寺の本堂(奈良県宇陀市室生)」 2020年 / CC0 出典

乞食坊主とはどんな妖怪か

乞食坊主はひとことで言えば、大晦日に来る客です。奈良県宇陀郡の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、關敬吾大歳の昔話」(『民間伝承』8巻8号通巻86号、1942年、7頁)を典拠に、ある年の大晦日に、善良な老夫婦の家に1人の乞食坊主がやってきて、1夜の宿をこう。老夫婦は親切に泊める。元旦になって起こしに行くと、その人は黄金になっていた。その翌年の大晦日、隣の欲の深い爺婆が、旅の僧を無理に引き留めて泊まらせ、死なせてしまうと記します。

同じことをして、逆の結果になっています。

片方は親切に泊め、片方は無理に引き留めました 違いはそこだけです。

乞食坊主の漢字表記と読み方

読みは「こじきぼうず」です。

大歳は大晦日のことで、年の終わりの日を指します。 この日に来る客の話は各地にあります。

黄金になるのは元旦の朝です。

どれももてなし方が分かれ目です。

乞食坊主(こじきぼうず)

日文研データベースが示す呼称。

大歳の客(おおとしのきゃく)

報告の題は大歳の昔話です。

乞食坊主の姿と特徴

乞食坊主の姿は、記録に短く書かれています。

来る日 … 大晦日。
来た相手 … 善良な老夫婦の家。
求めたこと … 一夜の宿。
老夫婦の応じ方 … 親切に泊める。
元旦の朝 … その人は黄金になっていた。
翌年 … 隣の欲の深い爺婆が旅の僧を無理に引き留め、死なせてしまう。

顔立ちや着物については書かれていません。

乞食坊主の伝承記録

  1. 大晦日に宿をこう
  2. 元旦に黄金になる
  3. 隣の爺婆は死なせる

大晦日に宿をこう

ある年の大晦日に、善良な老夫婦の家に1人の乞食坊主がやってきて、1夜の宿をこいました。

断られてもおかしくない相手です。

元旦に黄金になる

老夫婦は親切に泊めました。

元旦になって起こしに行くと、その人は黄金になっていました。

礼を言われたのではありません。 変わっていました

隣の爺婆は死なせる

その翌年の大晦日、隣の欲の深い爺婆が、旅の僧を無理に引き留めて泊まらせ、死なせてしまいます。

同じ日、同じ相手、違う心持ち

結末も、逆になりました

乞食坊主の伝承地域

公的データベースの地域欄は奈良県宇陀郡を示します。

宇陀は大和高原の東のはしにあたり、古くから薬草の地として知られます。

宇陀郡(うだぐん)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

宇陀郡の所在地:奈良県宇陀郡

報告は民間伝承の会の民間伝承によります。

大和高原の東のはしにあたります。

乞食坊主の正体と考えられているもの

乞食坊主は、心持ちを試す客です

祟りという語は使われていません。 記されているのは、黄金になったことと、死なせてしまったことです。

それでも、報いが分かれています

この図鑑には大晦日に来るものの話をほかにも収めています。

乞食坊主が登場する作品

乞食坊主を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは学会誌です。

大歳の客の話は各地にあり、まねをして失敗する隣人が付きます。この図鑑には大晦日に来るものの話をほかにも収めています。

乞食坊主が登場する学会誌

民間伝承

民間伝承の会の学会誌です。1942年の号に關敬吾の大歳の昔話が載ります。

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乞食坊主についてよくある質問

乞食坊主とは何ですか。

奈良県宇陀郡で、大晦日に宿を借りに来たとされる坊主です。

何が起きましたか。

元旦の朝に黄金になっていたと記録されています。

隣の家はどうなりましたか。

旅の僧を無理に引き留めて泊まらせ、死なせてしまったとされます。

大歳とは何ですか。

大晦日のことです。

乞食坊主と併せて覚えたい言葉・用語

大歳(おおとし)

大晦日のこと。年の終わりの日です。

宇陀郡(うだぐん)

奈良県の郡名。大和高原の東にあたります。

關敬吾(せきけいご)

昔話の研究で知られる民俗学者です。

乞食坊主の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「乞食坊主」