奈良県宇陀郡で、大晦日に宿を借り、元旦に黄金になっていたという坊主。

乞食坊主とはどんな妖怪か
乞食坊主はひとことで言えば、大晦日に来る客です。奈良県宇陀郡の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、關敬吾「大歳の昔話」(『民間伝承』8巻8号通巻86号、1942年、7頁)を典拠に、ある年の大晦日に、善良な老夫婦の家に1人の乞食坊主がやってきて、1夜の宿をこう。老夫婦は親切に泊める。元旦になって起こしに行くと、その人は黄金になっていた。その翌年の大晦日、隣の欲の深い爺婆が、旅の僧を無理に引き留めて泊まらせ、死なせてしまうと記します。
同じことをして、逆の結果になっています。
片方は親切に泊め、片方は無理に引き留めました。 違いはそこだけです。
乞食坊主の漢字表記と読み方
読みは「こじきぼうず」です。
大歳は大晦日のことで、年の終わりの日を指します。 この日に来る客の話は各地にあります。
黄金になるのは元旦の朝です。
どれももてなし方が分かれ目です。
乞食坊主(こじきぼうず)
日文研データベースが示す呼称。
大歳の客(おおとしのきゃく)
報告の題は大歳の昔話です。
乞食坊主の姿と特徴
乞食坊主の姿は、記録に短く書かれています。
来る日 … 大晦日。
来た相手 … 善良な老夫婦の家。
求めたこと … 一夜の宿。
老夫婦の応じ方 … 親切に泊める。
元旦の朝 … その人は黄金になっていた。
翌年 … 隣の欲の深い爺婆が旅の僧を無理に引き留め、死なせてしまう。
顔立ちや着物については書かれていません。
乞食坊主の伝承記録
大晦日に宿をこう
ある年の大晦日に、善良な老夫婦の家に1人の乞食坊主がやってきて、1夜の宿をこいました。
断られてもおかしくない相手です。
元旦に黄金になる
老夫婦は親切に泊めました。
元旦になって起こしに行くと、その人は黄金になっていました。
礼を言われたのではありません。 変わっていました。
隣の爺婆は死なせる
その翌年の大晦日、隣の欲の深い爺婆が、旅の僧を無理に引き留めて泊まらせ、死なせてしまいます。
同じ日、同じ相手、違う心持ち。
結末も、逆になりました。
乞食坊主の伝承地域
公的データベースの地域欄は奈良県宇陀郡を示します。
宇陀は大和高原の東のはしにあたり、古くから薬草の地として知られます。
乞食坊主の正体と考えられているもの
乞食坊主は、心持ちを試す客です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、黄金になったことと、死なせてしまったことです。
それでも、報いが分かれています。
この図鑑には大晦日に来るものの話をほかにも収めています。
乞食坊主が登場する作品
乞食坊主を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは学会誌です。
大歳の客の話は各地にあり、まねをして失敗する隣人が付きます。この図鑑には大晦日に来るものの話をほかにも収めています。
乞食坊主が登場する学会誌
民間伝承
民間伝承の会の学会誌です。1942年の号に關敬吾の大歳の昔話が載ります。
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乞食坊主についてよくある質問
乞食坊主とは何ですか。
奈良県宇陀郡で、大晦日に宿を借りに来たとされる坊主です。
何が起きましたか。
元旦の朝に黄金になっていたと記録されています。
隣の家はどうなりましたか。
旅の僧を無理に引き留めて泊まらせ、死なせてしまったとされます。
大歳とは何ですか。
大晦日のことです。
乞食坊主と併せて覚えたい言葉・用語
大歳(おおとし)
大晦日のこと。年の終わりの日です。
宇陀郡(うだぐん)
奈良県の郡名。大和高原の東にあたります。
關敬吾(せきけいご)
昔話の研究で知られる民俗学者です。
乞食坊主の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。