奈良県奈良市で、石地から飛び出し、そこから甘泉を湧かせたという黒白二羽の鵜。

Christophe95 「東大寺二月堂(奈良県奈良市雑司町)」 2018年 / CC BY-SA 4.0 出典
閼伽井の鵜とはどんな妖怪か
閼伽井の鵜は、水を出した鳥です。奈良県奈良市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、中川喜雲「案内者」(『続日本随筆大成別巻』吉川弘文館、1983年)を典拠に、当寺に諸神を勧請した所、我は閼伽水を献上しようという若州遠敷の明神の神託があった。するとたちまちに黒白の2匹の鵜が石地から飛び出し、そこから甘泉が湧き出した。そこで、その泉の周りを石で囲み、閼伽井としたと記します。
遠くから届いています。
約束したのは若州遠敷の明神、すなわち若狭の神でした。
閼伽井の鵜の漢字表記と読み方
読みは「あかいのう」です。
「閼伽」は仏に供える水のことです。
「勧請」は、神仏を招いてまつることです。
「若州」は若狭国、いまの福井県南部にあたります。
「甘泉」は、うまい水の湧く泉のことです。
閼伽井の鵜(あかいのう)
日文研データベースが示す呼称。
若狭井(わかさい)
同じ井戸に用いられる呼び名です。
閼伽井の鵜の姿と特徴
閼伽井の鵜の様子は、記録にはっきり書かれています。
したこと … 当寺に諸神を勧請した。
神託の主 … 若州遠敷の明神。
その言葉 … 我は閼伽水を献上しよう。
現れたもの … 黒白の二匹の鵜。
どこから … 石地。
そのあと … 甘泉が湧き出した。
人のしたこと … その泉の周りを石で囲んだ。
その名 … 閼伽井。
鵜の大きさは書かれていません。
閼伽井の鵜の伝承記録
諸神を勧請する
当寺に諸神を勧請しました。
招いたのは多くの神です。
若狭の明神の神託
我は閼伽水を献上しようという若州遠敷の明神の神託がありました。
応じたのは遠い国の神でした。
石地から飛び出す鵜
たちまちに黒白の2匹の鵜が石地から飛び出しました。
色は黒と白です。
甘泉が湧く
そこから甘泉が湧き出しました。その泉の周りを石で囲み、閼伽井としました。
残ったのは井です。
閼伽井の鵜の伝承地域
公的データベースの地域欄は奈良県奈良市を示します。
記録は寺の名を当寺とだけ書いています。
閼伽井の鵜の正体と考えられているもの
閼伽井の鵜は、水の湧く場所を教えたとされる鳥です。
害をなすものではありません。 語られているのは、神託があったことと、鵜が出て水が湧いたことです。
若狭の神が奈良へ水を送るという言い方に、遠く結ばれた社寺の関わりが表れています。
閼伽井の鵜が登場する作品
閼伽井の鵜を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは続日本随筆大成に収められた案内者です。
神託によって水が湧く話は各地の社寺にあり、井戸の由来として語られます。
閼伽井の鵜が登場する随筆
案内者
中川喜雲の随筆。続日本随筆大成別巻に収められています。
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閼伽井の鵜についてよくある質問
閼伽井の鵜とは何ですか。
奈良県奈良市で、石地から飛び出して泉を湧かせたと語られる黒白二羽の鵜です。
誰の神託ですか。
若州遠敷の明神と記録されています。
閼伽とは何ですか。
仏に供える水のことです。
そのあとどうしましたか。
泉の周りを石で囲み、閼伽井としたといいます。
閼伽井の鵜と併せて覚えたい言葉・用語
閼伽(あか)
仏に供える水のことです。
勧請(かんじょう)
神仏を招いてまつることです。
若州(じゃくしゅう)
若狭国。いまの福井県南部にあたります。
閼伽井の鵜の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。