宮崎県美郷町で、膳を貸してくれたが、壊して黙って返されてやめたという神。

STA3816 「神門神社の本殿(宮崎県東臼杵郡美郷町南郷神門)」 2010年 / CC BY-SA 3.0 出典
オセリ様とはどんな妖怪か
オセリ様はひとことで言えば、貸すのをやめた神です。宮崎県東臼杵郡美郷町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、國學院大學民俗学研究会「宮崎県東臼杵郡西郷村」(『民俗採訪』昭和38年度号、1965年、27頁)を典拠に、オセリ様にお願いしておくと、お膳を貸してもらえたが、ある人が膳を壊したにもかかわらずそのまま返したので、それ以後ぱったりと貸してもらえなくなったと記します。
理由は、壊したことではありません。
壊れたまま、そのまま返したことです。 断りがなかったことが、貸し借りを終わらせました。
オセリ様の漢字表記と読み方
読みは「おせりさま」です。
膳や椀を貸してくれる話は椀貸し伝説と呼ばれ、各地にあります。
西郷村は、二〇〇六年に合併して美郷町になりました。
どれも返し方で終わります。
オセリ様(おせりさま)
日文研データベースが示す呼称。
椀貸し(わんかし)
同じたぐいの話の一般の呼び名です。
オセリ様の姿と特徴
オセリ様に姿はありません。記録にあるのは、貸し借りの決まりです。
すること … お願いしておく。
借りられたもの … お膳。
破った人 … ある人。
したこと … 膳を壊した。
さらにしたこと … 壊したまま、そのまま返した。
その後 … ぱったりと貸してもらえなくなった。
姿を見たという記述はありません。
オセリ様の伝承記録
お願いすれば貸してくれる
オセリ様にお願いしておくと、お膳を貸してもらえました。
代金はいりません。 お願いだけです。
壊してそのまま返す
ある人が膳を壊したにもかかわらず、そのまま返しました。
壊したこと自体は、書かれているだけです。
問題は、そのまま返したことにあります。
ぱったり貸さなくなる
それ以後、ぱったりと貸してもらえなくなりました。
罰は下っていません。
やめただけです。
オセリ様の伝承地域
公的データベースの地域欄は宮崎県東臼杵郡を示します。
旧西郷村は耳川の中流の山あいにあたり、今の美郷町です。
オセリ様の正体と考えられているもの
オセリ様は、信用で貸していた神です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、貸してもらえなくなったということだけです。
それでも、ぱったりと書かれています。
この図鑑には椀貸しにまつわる話をほかにも収めています。
オセリ様が登場する作品
オセリ様を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは調査報告です。
椀貸し伝説は各地にあり、返さなかったことで終わる形をとります。この図鑑には椀貸しにまつわる話をほかにも収めています。
オセリ様が登場する調査報告
民俗採訪
國學院大學民俗学研究会の調査報告です。昭和38年度号に載ります。
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オセリ様についてよくある質問
オセリ様とは何ですか。
宮崎県美郷町で、お膳を貸してくれたと伝わる神です。
どうやって借りますか。
お願いしておくと貸してもらえたと記録されています。
なぜ貸さなくなりましたか。
ある人が膳を壊したまま、そのまま返したためとされます。
椀貸し伝説とは何ですか。
膳や椀を貸してくれる話で、各地に伝わります。
オセリ様と併せて覚えたい言葉・用語
椀貸し(わんかし)
膳や椀を貸してくれるという伝説のことです。
膳(ぜん)
食事をのせる台や、その一そろいのことです。
西郷村(さいごうそん)
宮崎県の旧村名。今の美郷町にあたります。
オセリ様の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。