三重県熊野市神川町で、伐ると祟るとされたムクの大木。子安の祠も添います。

ナカムラノカミとはどんな妖怪か
ナカムラノカミはひとことで言えば、家が祀った大木です。三重県熊野市神川町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、南山大学文化人類学研究会「三重県熊野市神川町花知地区調査報告」(『文化人類学研究会会報』通巻10号、1979年、99頁)を典拠に、中村という家で祀っていたムクの大木はナカムラノカミと呼ばれていて、伐ると祟りがあると言われ、工事で枝を払う必要が出たときには、山伏に祈祷してもらった。根元には古くなった神棚が捨てられ、また子安の神様という祠もあって、ここから湧く水を飲めばお産が軽くなると言われていたが、今は忘れられていると記します。
枝を払うときも、祈祷しています。
伐り倒したのではありません。 工事で枝を払うだけでも、山伏を呼んでいます。
ナカムラノカミの漢字表記と読み方
読みは「なかむらのかみ」です。
ムクはムクノキのことで、大きく育つ落葉樹です。 社寺の境内に多く残ります。
山伏は、山にこもって修行する行者のことです。
どれも手を入れる前に祈ります。
ナカムラノカミ(なかむらのかみ)
日文研データベースが示す呼称。
子安の神様(こやすのかみさま)
根元にある祠の呼び名です。
ナカムラノカミの姿と特徴
ナカムラノカミに姿はありません。記録にあるのは、木と、そのまわりです。
もの … ムクの大木。
祀った家 … 中村という家。
言われていること … 伐ると祟りがある。
枝を払うとき … 山伏に祈祷してもらう。
根元にあるもの … 古くなった神棚と、子安の神様の祠。
祠の言い伝え … 湧く水を飲めばお産が軽くなる。
今は忘れられていると記されています。
ナカムラノカミの伝承記録
家が祀る大木
中村という家で祀っていたムクの大木は、ナカムラノカミと呼ばれていました。
村の社ではなく、一軒の家が祀っています。
枝を払うにも祈祷
伐ると祟りがあると言われ、工事で枝を払う必要が出たときには、山伏に祈祷してもらいました。
枝一本でも、手続きが要りました。
子安の祠は忘れられる
根元には古くなった神棚が捨てられ、また子安の神様という祠もありました。
ここから湧く水を飲めばお産が軽くなると言われていましたが、今は忘れられています。
木は残り、言い伝えのほうが消えました。
ナカムラノカミの伝承地域
公的データベースの地域欄は三重県熊野市神川町を示します。
神川町は熊野市の山あいにあたります。
ナカムラノカミの正体と考えられているもの
ナカムラノカミは、手を入れにくい木です。
祟りという語が、この記録では使われています。
それでも、子安の祠のほうは忘れられました。
この図鑑には伐ると祟る木の話をほかにも収めています。
ナカムラノカミが登場する作品
ナカムラノカミを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは調査報告です。
伐ると祟る木の話は各地にあり、枝を払うにも祈祷する形をとります。この図鑑には伐ると祟る木の話をほかにも収めています。
ナカムラノカミが登場する調査報告
文化人類学研究会会報
南山大学文化人類学研究会の1979年の調査報告です。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
ナカムラノカミについてよくある質問
ナカムラノカミとは何ですか。
三重県熊野市神川町で、中村という家が祀っていたムクの大木です。
伐るとどうなりますか。
祟りがあると言われたと記録されています。
枝を払うときはどうしましたか。
山伏に祈祷してもらったとされます。
子安の神様とは何ですか。
根元にある祠で、湧く水を飲めばお産が軽くなると言われていました。
ナカムラノカミと併せて覚えたい言葉・用語
ムクノキ(むくのき)
大きく育つ落葉樹。社寺の境内に多く残ります。
山伏(やまぶし)
山にこもって修行する行者のことです。
子安(こやす)
お産の無事を願う信仰のことです。
ナカムラノカミの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。