鹿児島県薩摩川内市下甑町で、石四体をまつり、竹を切ると海が時化、穢れた人が入ると倒れるという山。

Sakoppi 「鹿島断崖(鹿児島県薩摩川内市下甑町)」 2014年 / CC BY-SA 3.0 出典
ヤブサ山とはどんな妖怪か
ヤブサ山は、竹を切ると海が荒れる山です。鹿児島県薩摩川内市下甑町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、小野重朗「南九州の民俗神(10)ヤブサドン(矢房神社)」(『民間伝承』六人社、1968年)を典拠に、ヤブサ山という小薮山には小さい石4体があり、部落の人々は恐れ敬っている。この山の竹を切ると海が大時化になり、穢れた人が山に入ると倒れると言うと記します。
咎めが二通りあります。
竹を切れば海が大時化、穢れた人が入れば倒れるのです。
ヤブサ山の漢字表記と読み方
読みは「やぶさやま」です。
「小薮山」は、小さな藪の山ということです。
「時化」は、風で海が荒れることです。
「穢れ」は、忌みがかりのある状態を指す言い方です。
「部落」は、記録が使う集落の呼び方です。
ヤブサ山(やぶさやま)
日文研データベースが示す呼称。
ヤブサドン(やぶさどん)
論文名が使う、南九州でのこの神の呼び名です。
矢房神社(やぶさじんじゃ)
論文名が括弧で添える社の名です。
ヤブサ山の姿と特徴
ヤブサ山の決まりは、記録に短く書かれています。
その山 … 小薮山。
あるもの … 小さい石が四体。
人々の態度 … 部落の人々は恐れ敬っている。
してはいけないこと(一) … この山の竹を切る。
そのとき起きること … 海が大時化になる。
してはいけないこと(二) … 穢れた人が山に入る。
そのとき起きること … 倒れる。
石の形は書かれていません。
ヤブサ山の伝承記録
小さい石が四体
ヤブサ山という小薮山には小さい石4体があります。
数は四つです。
恐れ敬う
部落の人々は恐れ敬っています。
構えは恐れと敬いです。
竹を切ると海が荒れる
この山の竹を切ると海が大時化になるといいます。
返ってくるのは海からです。
穢れた人は倒れる
穢れた人が山に入ると倒れると言います。
咎めはその場で出ます。
ヤブサ山の伝承地域
公的データベースの地域欄は鹿児島県薩摩川内市下甑町を示します。
論文は南九州の民俗神の連載の一つです。
ヤブサ山の正体と考えられているもの
ヤブサ山は、石をまつり、竹を切らせない山です。
姿のあるものは出てきません。 語られているのは、何があるかと、何をすると何が起きるかです。
山の竹を切ると海が荒れるという結びは、島の暮らしが山と海の両方に立っていることを示します。
ヤブサ山が登場する作品
ヤブサ山を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは民俗学の雑誌の連載です。
木を切ると海が荒れるという決まりは島や海辺に多く、船の安全と結びついて語られます。
ヤブサ山が登場する学会誌
民間伝承
六人社が出した雑誌です。1968年の号に南九州の民俗神の連載が載ります。
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ヤブサ山についてよくある質問
ヤブサ山とは何ですか。
鹿児島県薩摩川内市下甑町にあるとされた小薮山です。
何がありますか。
小さい石が四体あると記録されています。
竹を切るとどうなりますか。
海が大時化になるといいます。
ほかに決まりはありますか。
穢れた人が山に入ると倒れるといいます。
ヤブサ山と併せて覚えたい言葉・用語
時化(しけ)
風で海が荒れることです。
甑島(こしきしま)
薩摩半島の西にある島々です。
穢れ(けがれ)
忌みがかりのある状態を指す言い方です。
ヤブサ山の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。