香川県三豊市で、神の使いとして社の間を走り、姿を見てはいけないとされた狼。

オオカミサンとはどんな妖怪か
オオカミサンはひとことで言えば、見てはいけない神の使いです。香川県三豊市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、斉賀保子「四国民俗」(『四国民俗』通巻10号、1983年、25頁)を典拠に、海の神様として信仰される三崎神社と高屋の稲積社との間を、オオカミサンが神さんの使いとして走る。そのお姿を見てはいけない。轟くような声が聞こえるという。一匹オオカミは神さんの使いで、群がって来るのは危害を加えるから用心しなくてはならないというと記します。
一匹か群れかで、意味が正反対になります。
一匹は神の使い、群れは危害を加えるものでした。
オオカミサンの漢字表記と読み方
読みは「おおかみさん」です。
「サン」を付けて呼ぶところに、敬いが表れています。 神の使いとされたためです。
走る道は三崎神社と高屋の稲積社の間と記されます。
この図鑑には千匹狼(京都)も収めています。そちらは群れで人を襲う話です。
オオカミサン(おおかみさん)
日文研データベースが示す呼称。
狼(おおかみ)
記録では狼と併記されます。
オオカミサンの姿と特徴
オオカミサンの姿は、記録に短く書かれています。
走る道 … 海の神様として信仰される三崎神社と、高屋の稲積社との間。
役 … 神さんの使い。
戒め … そのお姿を見てはいけない。
聞こえるもの … 轟くような声。
一匹の場合 … 神さんの使い。
群れの場合 … 危害を加えるから用心しなくてはならない。
見た人の記述はありません。 見てはいけないものだからです。
オオカミサンの伝承記録
社と社の間を走る
海の神様として信仰される三崎神社と、高屋の稲積社との間を走ります。
神さんの使いとして走るといいます。
道が決まっている点が要です。
見てはいけない
そのお姿を見てはいけないとされました。
轟くような声が聞こえるといいます。
声だけが、通ったしるしでした。
一匹と群れ
一匹オオカミは神さんの使いです。
群がって来るのは危害を加えるから、用心しなくてはならないといいます。
同じ獣が、数によって意味を変えます。
オオカミサンの伝承地域
公的データベースの地域欄は香川県三豊市詫間町を示します。
詫間は瀬戸内海に突き出た荘内半島の町です。 三崎神社は海の神として信仰されました。
オオカミサンの正体と考えられているもの
オオカミサンは、見てはいけない神の使いです。
判じ方がはっきりしています。 一匹なら使い、群れなら用心です。
姿を見ないことが、そのまま作法になっています。
この図鑑には千匹狼(京都)も収めています。
オオカミサンが登場する作品
オオカミサンを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは四国の民俗雑誌です。
狼を神の使いとする信仰は各地にあり、秩父の三峯などが知られます。この図鑑には千匹狼(京都)も収めています。
オオカミサンが登場する民俗雑誌
四国民俗
四国民俗学会の雑誌です。通巻10号に斉賀保子の報告が載ります。
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オオカミサンについてよくある質問
オオカミサンとは何ですか。
香川県三豊市詫間町で、神の使いとして社の間を走るとされた狼です。
見てもよいのですか。
そのお姿を見てはいけないと伝えられました。
一匹と群れで違いますか。
一匹は神の使い、群れは危害を加えるから用心せよとされました。
どんな音がしますか。
轟くような声が聞こえるといいます。
オオカミサンと併せて覚えたい言葉・用語
三崎神社(みさきじんじゃ)
海の神として信仰される社と記されます。
稲積社(いなづみしゃ)
高屋にある社と記されます。
神の使い(かみのつかい)
神に仕える獣。狼や狐が挙げられます。
オオカミサンの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。