香川県さぬき市で、猟師が七夜こもって銃を構え、親兄弟に化けた魔物も通ったという祭壇の場。

ウランボルグ 「大窪寺の本堂(香川県さぬき市多和兼割)」 2007年 / CC BY-SA 3.0 出典
ノタウチバとはどんな妖怪か
ノタウチバはひとことで言えば、撃つべきかを試される場です。香川県さぬき市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、藤井洋一「大川郡南部の話」(『香川の民俗』香川民俗学会、1966年)を典拠に、猟師のしきたりとして、旧暦12月のある日から7日間、祭壇を設け、毎夜壇上で銃を構え、夜中に通る物を射つ。この祭壇の場所をノタウチバと言い、獣の他にも妖怪や魔物が親・兄弟の姿に化けて通るのだというと記します。
化ける相手が決まっています。
通るのは獣だけではなく、親・兄弟の姿に化けた妖怪や魔物でもありました。
ノタウチバの漢字表記と読み方
読みは「のたうちば」です。
「ノタ」は、猪が体を泥に打ちつけて転げまわる場所を指す猟師の言葉です。
旧暦十二月は、いまの一月ごろにあたります。
「大川郡」は、いまのさぬき市や東かがわ市のあたりです。
ノタウチバ(のたうちば)
日文研データベースが示す呼称。
野田打ち場(のたうちば)
猟師の言葉「ノタ」を当てた書き方です。
ノタウチバの姿と特徴
ノタウチバのしきたりは、記録に短く書かれています。
するのは誰か … 猟師。
時期 … 旧暦十二月のある日から七日間。
設けるもの … 祭壇。
毎夜すること … 壇上で銃を構え、夜中に通る物を射つ。
その場所の名 … ノタウチバ。
通るもの(一) … 獣。
通るもの(二) … 妖怪や魔物が親・兄弟の姿に化けたもの。
撃ったあとどうなるかは書かれていません。
ノタウチバの伝承記録
七日間の祭壇
猟師のしきたりとして、旧暦12月のある日から7日間、祭壇を設けます。
日数が七日と決まっています。
毎夜銃を構える
毎夜壇上で銃を構え、夜中に通る物を射ちます。
構えるのは毎夜です。
親兄弟に化けて通る
獣の他にも妖怪や魔物が親・兄弟の姿に化けて通るのだといいます。
試されるのは撃てるかどうかです。
ノタウチバの伝承地域
公的データベースの地域欄は香川県さぬき市を示します。
報告の題にある大川郡南部は、讃岐山脈に近い山あいの地域です。
さぬき市南部(さぬきしなんぶ)
日文研データベースが示す伝承地域
さぬき市南部の所在地:香川県さぬき市
報告は香川民俗学会の香川の民俗によります。
報告の題にある大川郡は、いまのさぬき市や東かがわ市のあたりです。
ノタウチバの正体と考えられているもの
ノタウチバは、猟師のしきたりの場です。
妖怪そのものの姿は書かれていません。 語られているのは、親兄弟に化けて通るという一点だけです。
撃つ側がためされる形になっています。
ノタウチバが登場する作品
ノタウチバを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは香川の民俗学会の雑誌です。
山で身内の姿に化けて現れるものの話は各地にあり、撃つか撃たないかが試されます。
ノタウチバが登場する学会誌
香川の民俗
香川民俗学会が出した雑誌です。1966年の号に大川郡南部の話が載ります。
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ノタウチバについてよくある質問
ノタウチバとは何ですか。
香川県さぬき市で、猟師が祭壇を設けて夜ごと銃を構えたという場所です。
いつのことですか。
旧暦十二月のある日から七日間と記録されています。
何が通るのですか。
獣のほか、妖怪や魔物が親・兄弟の姿に化けて通るといいます。
ノタとは何ですか。
猪が体を泥に打ちつけて転げまわる場所を指す猟師の言葉です。
ノタウチバと併せて覚えたい言葉・用語
ノタ(のた)
猪が泥を浴びて転げまわる場所を指す猟師の言葉です。
大川郡(おおかわぐん)
香川県にあった郡。いまのさぬき市や東かがわ市にあたります。
祭壇(さいだん)
神仏をまつるために設ける壇のことです。
ノタウチバの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。