香川県まんのう町で、瀬戸内海の船へ鉢を飛ばし、米を入れねば燃えて追ったという上人。

iPhone修理/カスタマイズパーツ販売のダイワン特価良品 「まんのう町の森林公園(香川県仲多度郡まんのう町)」 2011年 / CC BY 3.0 出典
飛鉢上人とはどんな妖怪か
飛鉢上人はひとことで言えば、鉢を飛ばす行者です。香川県仲多度郡まんのう町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、谷原博信「讃岐山村の伝説と昔話」(『あしなか』通巻221号、山村民俗の会、1991年、9頁)を典拠に、中寺に飛び鉢の方を使う上人がいて、瀬戸内海を通る船に鉢を飛ばして追いかける。船頭が鉢に白米を入れると鉢は帰るが、入れないと鉢が燃え、火を吹きながらどこまでも船を追いかけてくるというと記します。
分かれ目は米です。
入れれば鉢は帰り、入れなければ燃えて追ってくるとされます。
飛鉢上人の漢字表記と読み方
読みは「ひはつしょうにん」です。
「鉢」は、僧が食を受けるための器のことです。
中寺は、まんのう町の山中にあった寺の名です。 中寺廃寺跡として発掘されています。
鉢を飛ばして米を受ける話は『信貴山縁起絵巻』にも描かれます。
飛鉢上人(ひはつしょうにん)
日文研データベースが示す呼称。
飛び鉢(とびはち)
鉢を飛ばす法の呼び方です。
飛鉢上人の姿と特徴
飛鉢上人の姿は、記録に短く書かれています。
いた場所 … 中寺。
使う法 … 飛び鉢の法。
飛ばす先 … 瀬戸内海を通る船。
米を入れたとき … 鉢は帰る。
入れないとき … 鉢が燃え、火を吹きながらどこまでも船を追いかけてくる。
上人の年齢や名は書かれていません。
飛鉢上人の伝承記録
中寺の上人
中寺に飛び鉢の方を使う上人がいました。
山の中の寺から海へ向かいます。
船へ飛ぶ鉢
瀬戸内海を通る船に鉢を飛ばして追いかけます。
先に届くのは鉢だけです。
米を入れれば帰る
船頭が鉢に白米を入れると鉢は帰ります。
求めるものは白米でした。
入れなければ燃える
入れないと鉢が燃え、火を吹きながらどこまでも船を追いかけてくるといいます。
逃げ切れるとは書かれていません。
飛鉢上人の伝承地域
公的データベースの地域欄は香川県仲多度郡まんのう町を示します。
中寺は大川山の中腹にあった山岳寺院で、跡が発掘されています。
中寺廃寺跡(なかでらはいじあと)
日文研データベースが示す伝承地域
中寺廃寺跡の所在地:香川県仲多度郡まんのう町造田
報告は山村民俗の会のあしなかによります。
大川山の中腹にあった山岳寺院の跡で、国の史跡に指定されています。
飛鉢上人の正体と考えられているもの
飛鉢上人は、法で鉢を飛ばしたとされる行者です。
妖怪として語られてはいません。 語られているのは、米を入れれば帰るという取り決めです。
破られたときだけ、火を吹く鉢になります。
飛鉢上人が登場する作品
飛鉢上人を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは山村民俗の会の雑誌です。
鉢を飛ばして米を受ける話は古くからあり、信貴山縁起絵巻によく知られた場面があります。
飛鉢上人が登場する雑誌
あしなか
山村民俗の会が出した雑誌です。1991年の号に讃岐山村の伝説と昔話が載ります。
飛鉢上人が登場する絵巻
信貴山縁起絵巻
平安時代の絵巻。命蓮上人が鉢を飛ばして米を受ける場面が描かれます。
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飛鉢上人についてよくある質問
飛鉢上人とは何ですか。
香川県まんのう町の中寺にいて、瀬戸内海の船へ鉢を飛ばしたと語られる上人です。
鉢に何を入れるのですか。
白米と記録されています。
入れないとどうなりますか。
鉢が燃え、火を吹きながらどこまでも船を追いかけてくるといいます。
中寺はどこですか。
まんのう町の大川山の中腹にあった山岳寺院で、中寺廃寺跡として国の史跡になっています。
飛鉢上人と併せて覚えたい言葉・用語
上人(しょうにん)
徳の高い僧を敬って呼ぶ言い方です。
鉢(はち)
僧が食を受けるための器です。
飛び鉢の法(とびはちのほう)
鉢を飛ばして食を受けるとされた法です。
飛鉢上人の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。