岩手県岩手郡で、五月四日の夜だけ悪さを許されるもの。馬を厩に入れ、蓬と菖蒲を挿して防ぐ。

LERK 「岩手川口の町並み(岩手県岩手郡岩手町川口)」 2011年 / CC BY-SA 4.0 出典
山のものとはどんな妖怪か
山のものは、一夜だけ許されるものです。岩手県岩手郡の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、國學院大學民俗学研究会「岩手県岩手郡岩手町川口」(『民俗採訪』國學院大學民俗学研究会、1958年)を典拠に、5月4日の夜は山のものがどんなに悪さをしても許される日なので、この夜は牧場の馬を厩に入れ、家の四方に蓬・菖蒲を挿して魔よけにすると記します。
許されているのが変わっています。
「どんなに悪さをしても許される日」と、あらかじめ決まっているのです。
この図鑑にはモリドン(長野)も収めています。
山のものの漢字表記と読み方
読みは「やまのもの」です。
「厩」は馬を入れておく小屋です。
「蓬」も「菖蒲」も、五月の節句に用いる草です。
「川口」は岩手町の地区の名です。
この図鑑にはモリドン(長野)も収めています。どちらも蓬と菖蒲で防ぎます。
山のもの(やまのもの)
日文研データベースが示す呼称。
蓬・菖蒲(よもぎ・しょうぶ)
記録が示す、四方に挿す草です。
山のものの姿と特徴
山のものの決まりは、記録に短く書かれています。
その夜 … 五月四日の夜。
その日の決まり … 山のものがどんなに悪さをしても許される。
すること(一) … 牧場の馬を厩に入れる。
すること(二) … 家の四方に蓬・菖蒲を挿す。
その目的 … 魔よけ。
山のものの姿は書かれていません。
山のものの伝承記録
五月四日の夜
5月4日の夜は山のものがどんなに悪さをしても許される日です。
許されるのは一夜です。
馬を厩に入れる
この夜は牧場の馬を厩に入れます。
しまうのは馬です。
四方に蓬と菖蒲
家の四方に蓬・菖蒲を挿して魔よけにします。
囲うのは家です。
山のものの伝承地域
公的データベースの地域欄は岩手県岩手郡、区町村名の欄は岩手町を示します。
報告の題は岩手県岩手郡岩手町川口です。
山のものの正体と考えられているもの
山のものは、一夜だけ悪さを許されるものです。
姿は書かれていません。 語られているのは、いつ許されるかと、その夜に何をするかです。
馬を先にしまうという備えが、狙われるものが何かを教えています。
この図鑑にはモリドン(長野)も収めています。
山のものが登場する作品
山のものを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の民俗学研究会の報告書です。
五月の節句に蓬と菖蒲を軒や四方に挿す習わしは各地にあり、魔よけとされます。
山のものが登場する報告書
民俗採訪
國學院大學民俗学研究会が出した調査報告です。昭和32年度号に岩手町川口の報告が載ります。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
山のものについてよくある質問
山のものとは何ですか。
岩手県岩手郡で、五月四日の夜に悪さを許されるとされたものです。
その夜は何をするのですか。
牧場の馬を厩に入れ、家の四方に蓬・菖蒲を挿します。
なぜ馬をしまうのですか。
記録は理由を書いていません。魔よけの一つとして挙げています。
蓬と菖蒲とは何ですか。
五月の節句に用いる草です。
山のものと併せて覚えたい言葉・用語
厩(うまや)
馬を入れておく小屋です。
蓬(よもぎ)
五月の節句に用いる草です。
菖蒲(しょうぶ)
五月の節句に軒に挿す草です。
山のものの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。