石川県中能登町で、田歌の声が聞きたいと告げて移されたという社。

火の宮とはどんな妖怪か
火の宮はひとことで言えば、引っ越しを望んだ社です。石川県鹿島郡中能登町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、柳田国男「田の神の祭り方(下)」(『民間伝承』13巻5号通巻133号、1949年、15頁)を典拠に、火の宮を、以前は人里離れた場所に祀っていた。百年ほど前、田歌の声が聞きたいからハジカミというところに移してくれというお告げがあった。そして、苗代の多い、現在の場所へ移したと記します。
望んだ理由がはっきりしています。
祟るためでも、罰するためでもありません。 田歌の声が聞きたいというだけです。
火の宮の漢字表記と読み方
読みは「ひのみや」です。
田歌は、田植えのときにうたう歌のことです。 人が大勢出て、声がそろいます。
移した先は苗代の多い場所でした。
どれも田と結び付いています。
火の宮(ひのみや)
日文研データベースが示す呼称。
ハジカミ(はじかみ)
お告げが移し先として示した地名です。
火の宮の姿と特徴
火の宮に姿はありません。記録にあるのは、お告げと、移した場所です。
もとの場所 … 人里離れた場所。
お告げの時期 … 百年ほど前。
お告げの中身 … 田歌の声が聞きたい。
指した場所 … ハジカミというところ。
移した先 … 苗代の多い、現在の場所。
移した人 … 土地の人びと。
姿を見たという記述はありません。
火の宮の伝承記録
人里離れた場所に祀る
火の宮を、以前は人里離れた場所に祀っていました。
人の声の届かないところにありました。
田歌の声が聞きたい
百年ほど前、田歌の声が聞きたいからハジカミというところに移してくれというお告げがありました。
求めたのは供え物ではありません。
声でした。
苗代の多い場所へ
そして、苗代の多い、現在の場所へ移しました。
お告げのとおりに動いています。
社が、田の近くに来ました。
火の宮の伝承地域
公的データベースの地域欄は石川県鹿島郡中能登町を示します。
中能登町は能登半島の付け根にあたり、田の多い土地です。
火の宮の正体と考えられているもの
火の宮は、田の声を望んだ神です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、移してくれというお告げだけです。
それでも、人が動きました。
この図鑑には田の神にまつわる話をほかにも収めています。
火の宮が登場する作品
火の宮を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは学会誌です。
田の神の話は各地にあり、田植えの時期に人と近づく形をとります。この図鑑には田の神にまつわる話をほかにも収めています。
火の宮が登場する学会誌
民間伝承
日本民俗学会の学会誌です。1949年の号に柳田国男の論考が載ります。
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火の宮についてよくある質問
火の宮とは何ですか。
石川県中能登町で祀られている社で、移してくれというお告げがあったと伝わります。
なぜ移しましたか。
田歌の声が聞きたいというお告げがあったためと記録されています。
いつのことですか。
報告の百年ほど前のこととされます。
どこへ移しましたか。
苗代の多い、現在の場所へ移したと記されています。
火の宮と併せて覚えたい言葉・用語
田歌(たうた)
田植えのときにうたう歌のことです。
苗代(なわしろ)
稲の苗を育てる小さな田のことです。
鹿島郡(かしまぐん)
石川県の郡名。中能登町を含みます。
火の宮の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。