茨城県常陸大宮市で、火事の夢は燃え盛るならよく、鎮火していると滅びるという見立て。

小石川人晃 「高部の県道三十二号(茨城県常陸大宮市)」 2012年 / CC BY-SA 3.0 出典
夢知らせとはどんな妖怪か
夢知らせは、夢で先を読む見立てです。茨城県常陸大宮市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、国学院大学民俗学研究会「茨城県那珂郡美和村旧桧沢村」(『民俗採訪』国学院大学民俗学研究会、1983年)を典拠に、夢知らせといって、火事の夢をみるとよくない。燃え盛りの夢はよく、鎮火している夢をみると滅びる。数年前に、姑さんがそそうをしてしまう夢をみた。死んだ舅さんもでてきた。2、3日してから姑さんは心筋コウソクで危篤になった。しかしなんとか持ち直して、現在は元気であると記します。
当たった例が添えられています。
夢を見た二、三日あとに姑が危篤になり、なんとか持ち直して、現在は元気だといいます。
夢知らせの漢字表記と読み方
読みは「ゆめしらせ」です。
「鎮火」は火が消えることです。
「そそう」は失敗や粗相のことです。
「危篤」は命が危ういことです。
「美和村」はいまの常陸大宮市の一部です。
夢知らせ(ゆめしらせ)
日文研データベースが示す呼称。
虫の知らせ(むしのしらせ)
同じ働きを指す一般の言い方です。
夢知らせの姿と特徴
夢知らせの見立ては、記録に順を追って書かれています。
その呼び名 … 夢知らせ。
よくない夢 … 火事の夢。
よい形 … 燃え盛りの夢。
悪い形 … 鎮火している夢は滅びる。
数年前の例(一) … 姑さんがそそうをしてしまう夢をみた。
数年前の例(二) … 死んだ舅さんもでてきた。
そのあと … 二、三日してから姑さんは心筋コウソクで危篤になった。
その後 … なんとか持ち直して、現在は元気である。
夢に出た姿かたちは書かれていません。
夢知らせの伝承記録
火事の夢
夢知らせといって、火事の夢をみるとよくないといいます。
見てはいけないのは火事です。
燃え盛りと鎮火
燃え盛りの夢はよく、鎮火している夢をみると滅びるといいます。
分かれ目は燃えているかです。
姑と死んだ舅
数年前に、姑さんがそそうをしてしまう夢をみて、死んだ舅さんもでてきました。
出たのは亡き人です。
二、三日してから
2、3日してから姑さんは心筋コウソクで危篤になり、しかしなんとか持ち直して、現在は元気です。
当たったのは知らせでした。
夢知らせの伝承地域
公的データベースの地域欄は茨城県常陸大宮市を示します。
報告の題にある美和村は、いまの常陸大宮市の一部です。
夢知らせの正体と考えられているもの
夢知らせは、夢で先を読む見立てです。
姿のあるものは出てきません。 語られているのは、どの夢がよいかと、実際に何が起きたかです。
持ち直して元気だという結びまで書き留めてあるところが、聞き書きの調書らしい記録です。
夢知らせが登場する作品
夢知らせを単独で扱った本は見当たりません。読めるのは大学の民俗学研究会の報告書です。
夢で身内の身に起きることを知る話は各地にあり、虫の知らせとも呼ばれます。
夢知らせが登場する報告書
民俗採訪
国学院大学民俗学研究会が出した調査報告です。昭和57年度号に美和村の報告が載ります。
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夢知らせについてよくある質問
夢知らせとは何ですか。
茨城県常陸大宮市で、夢から先を読む見立てのことです。
火事の夢はどうですか。
燃え盛りの夢はよく、鎮火している夢をみると滅びるといいます。
実際の例はありますか。
姑が夢に出た二、三日後に危篤になったと記録されています。
その人はどうなりましたか。
なんとか持ち直して、現在は元気だといいます。
夢知らせと併せて覚えたい言葉・用語
鎮火(ちんか)
火が消えることです。
危篤(きとく)
命が危ういことです。
美和村(みわむら)
いまの茨城県常陸大宮市の一部です。
夢知らせの参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。