茨城県常総市の東弘寺に伝わる什物。五色で四尺余りの毛で、何の毛かは分からないという。

Fred Cherrygarden 「一言主神社の拝殿(茨城県常総市大塚戸町)」 2023年 / CC BY-SA 出典
七難揃毛とはどんな妖怪か
七難揃毛はひとことで言えば、正体の分からない長い毛です。茨城県常総市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、大朏東華『斉諧俗談』(『日本随筆大成第一期』19巻、1976年、335頁)を典拠に、次のように記します。
東弘寺という一向宗の寺には什物が多く伝わっている。その中に七難揃毛というものがある。色は五采で長さは4尺余りある。何の毛かはわからないが、近江国竹生島、信濃国戸隠山にも同様のものがあるという。伝えによると、昔七難という名の異婦がおり、その人の毛であるという。
四尺余りは、1.2メートルあまりです。五采は五色を指します。
何の毛かは分からない——記録自身がそう書いています。
同じものが、竹生島と戸隠山にもあるといいます。
七難揃毛の漢字表記と読み方
読みは「しちなんのそそけ」です。
「そそけ」は、ほつれた毛を指す古い言い方です。
「七難」は、記録では異婦の名とされています。仏教で説く七つの災いを指す語でもあります。
寺の什物として伝えられてきました。
七難揃毛(しちなんのそそけ)
日文研データベースが示す漢字表記。
シチナンノソソケ(しちなんのそそけ)
同データベースの呼称読み。
七難揃毛の姿と特徴
七難揃毛は、毛です。
色 … 五采(五色)。
長さ … 四尺余り(約1.2メートル)。
正体 … 何の毛かはわからない。
伝え … 昔、七難という名の異婦の毛であるという。
同種 … 近江国竹生島、信濃国戸隠山にも同様のものがある。
動く、光るという記述はありません。
七難揃毛の伝承記録
五色で四尺余りの毛
寺の什物の中に、この毛があります。
色は五采——五色に見えたということです。
長さは四尺余り。約1.2メートルあります。
人の毛にも、獣の毛にも見えなかったのでしょう。 記録は何の毛かはわからないと書きます。
分からないまま、寺に伝えられてきました。
竹生島と戸隠にもある
記録は、近江国竹生島、信濃国戸隠山にも同様のものがあると書き添えます。
竹生島は琵琶湖の島、戸隠山は信濃の霊山です。どちらも古くから知られた霊場です。
離れた霊場に、同じようなものが伝わっている——それが記録者の関心でした。
そして、七難という名の異婦の毛という伝えを記します。
確かめようのない品を、そのまま書き留めた記録です。
七難揃毛の伝承地域
公的データベースの地域欄は茨城県常総市を示します。記録は東弘寺と記します。
什物の現在は書かれていないため、地図で指せるのは市の範囲までです。
七難揃毛の正体と考えられているもの
七難揃毛の正体は分かっていません。記録自身が何の毛かはわからないと書いています。
伝えとして、七難という名の異婦の毛とされます。
霊場に伝わる「正体不明の品」は各地にあります。竹生島や戸隠山にも同様のものがあると記録されています。
五色に見える毛が何であったかは、確かめようがありません。
残ったのは、色と長さと、寺の名です。
七難揃毛が登場する作品
七難揃毛を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『斉諧俗談』です。
日本随筆大成に収められています。寺社の什物には、由来の分からない品が数多く伝わります。
七難揃毛が登場する古典籍
斉諧俗談
大朏東華による江戸期の随筆。七難揃毛の記録を載せています。
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
七難揃毛についてよくある質問
七難揃毛とは何ですか。
茨城県常総市の東弘寺に伝わる什物です。五色で四尺余りの毛と記録されています。
何の毛ですか。
分かっていません。記録も「何の毛かはわからない」と書いています。
ほかにもありますか。
近江国竹生島、信濃国戸隠山にも同様のものがあると記録されています。
七難とは何ですか。
記録では、昔いた異婦の名とされています。仏教で説く七つの災いを指す語でもあります。
七難揃毛と併せて覚えたい言葉・用語
什物(じゅうもつ)
寺社に伝わる宝物や道具です。
五采(ごさい)
五色のこと。毛の色として記録されています。
竹生島(ちくぶしま)
琵琶湖の島。同様のものがあると記録されています。
七難揃毛の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。