茨城県龍ケ崎市の位牌の形をした田。作ると死人や怪我人が出るとされ、寺が作るようになった。

Abasaa 「龍ケ崎市文化会館(茨城県龍ケ崎市馴馬町)」 2017年 / パブリックドメイン 出典
位はい田とはどんな妖怪か
位はい田はひとことで言えば、作ってはいけない形の田です。茨城県龍ケ崎市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、内田清司「稲敷の病人田(忌地)伝説」(『茨城の民俗』通巻24号、1985年、179頁)を典拠に、下町に昔から位はい田と言われて、位牌の形をした田があった。これも作ると死人が出たり怪我人が絶えず、普通農家では作る者はなかったが、お寺で作るようになったと記します。
田の形が、位牌に似ていました。 それだけで、忌まれています。
報告の題にある「忌地」は、作ることを避けられた土地を指す語です。
寺が作るようになった——祟りを受けない者が引き受けたという形です。
位はい田の漢字表記と読み方
読みは「いはいだ」です。
位牌は、死者の名を記して仏壇に置く木の札です。その形に似た田、という名になります。
報告の題は「病人田(忌地)伝説」。 作ると病人や死人が出るとされた田を集めた記事です。
位はい田(いはいだ)
日文研データベースが示す表記。
位牌田(いはいだ)
漢字を当てた書き方。
忌地(いみち)
作ることを避けられた土地を指す語。報告の題に使われています。
位はい田の姿と特徴
この田に妖怪の姿はありません。記録にあるのは、形と、起きたことです。
形 … 位牌の形をしている。
起きたこと … 作ると死人が出る。怪我人が絶えない。
扱い … 普通の農家では作る者がなかった。
その後 … 寺で作るようになった。
霊が出た、声がしたという記述はありません。
位はい田の伝承記録
形が位牌に似ている
田の形は、地形や水路で決まります。 いびつな形になることもあります。
この田は、位牌の形をしていました。
死を思わせる形であることが、忌まれた理由です。
作れば、死人が出たり怪我人が絶えなかったといいます。
土地の質ではなく、形が問題にされています。
寺が作るようになった
普通の農家は、作りませんでした。 耕せる田を、あえて空けておくということです。
しかし、お寺で作るようになりました。
寺は、死者を弔う場所です。 位牌を扱うことに慣れた者が引き受けた、と読めます。
忌地を、誰かが引き受けなければ荒れます。 その役を寺が担ったという形です。
位はい田の伝承地域
公的データベースの地域欄は茨城県龍ケ崎市を示します。記録は下町と記します。
田の現在は書かれていないため、地図で指せるのは市の範囲までです。
位はい田の正体と考えられているもの
この話に妖怪は出てきません。語られているのは、形への恐れです。
位牌の形をした田を作れば、死人や怪我人が出る。
忌地の言い伝えは各地にあります。病人田、因縁地などとも呼ばれます。
寺が作るようになったという結びは、恐れを引き受ける役が村の中にあったことを示します。
残ったのは、田の形と、その名です。
位はい田が記録された資料
位はい田を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは『茨城の民俗』の記事です。
題のとおり、病人田(忌地)をまとめた報告です。作ってはいけない土地の言い伝えが各地から集められています。
位はい田が記録された民俗資料
稲敷の病人田(忌地)伝説
内田清司が『茨城の民俗』通巻24号(1985年)に載せた中心資料です。
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位はい田についてよくある質問
位はい田とは何ですか。
茨城県龍ケ崎市にあったという、位牌の形をした田です。作ると死人や怪我人が出るとされました。
なぜ忌まれたのですか。
記録では、位牌の形をしていることが理由として挙げられています。
誰も作らなかったのですか。
普通の農家では作る者がなく、寺で作るようになったと記録されています。
忌地とは何ですか。
作ることを避けられた土地を指す語です。病人田とも呼ばれます。
位はい田と併せて覚えたい言葉・用語
位牌(いはい)
死者の名を記して仏壇に置く木の札。田の形が似ていました。
忌地(いみち)
作ることを避けられた土地。病人田とも呼ばれます。
茨城の民俗(いばらきのみんぞく)
茨城の民俗誌。この話の記録が載りました。
位はい田の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。