群馬県桐生市の社。杵で撃ち殺された女中を北向きに葬り、怪異が続いて社にまつった。

大つる様とはどんな妖怪か
大つる様は、北を向いてまつられた女中です。群馬県桐生市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、木村博「特定の方向に葬る風習―怨念の民俗の一形式―」(『岡山民俗(百号刊行記念特集)』岡山民俗学会、1972年)を典拠に、話者を平田トシ子として、昔大きな機屋があり、多くのの奉公人がいた。その中のおつるという女中に番頭が思いを寄せたが、聞き入れられないのを恨み、年の暮の餅搗きに手元が狂ったと見せて杵で撃ち殺したと記します。
向きに理由があります。
その後色々怪しいことが起こるので、墓所を神社として祭った。だから「大つる様」は普通の神社と違い北を向いているというと結ばれます。
この図鑑には神の遊び木(群馬)も収めています。
大つる様の漢字表記と読み方
読みは「おおつるさま」です。
「機屋」は、織物をつくる家のことです。
「餅搗き」は、年の暮に餅をつく行事です。
「墓所」は、墓のある場所のことです。
この図鑑には神の遊び木(群馬)も収めています。
大つる様(おおつるさま)
日文研データベースが示す呼称です。
機屋(はたや)
記録が示す、おつるが奉公していた家です。織物をつくる家をいいます。
大つる様の姿と特徴
大つる様の話は、記録に順を追って書かれています。
その家 … 大きな機屋。
いた人 … 多くの奉公人。
その一人 … おつるという女中。
思いを寄せた人 … 番頭。
その結果 … 聞き入れられなかった。
したこと … 年の暮の餅搗きに手元が狂ったと見せて杵で撃ち殺した。
そのあと … 普通の死に方でないので北を向けて葬った。
その後 … 色々怪しいことが起こった。
したこと … 墓所を神社として祭った。
今のこと … 普通の神社と違い北を向いている。
怪しいことの中身は書かれていません。
大つる様の伝承記録
機屋の女中
昔大きな機屋があり、多くの奉公人がいました。その中におつるという女中がいました。
働いていたのは織物の家です。
番頭の恨み
番頭が思いを寄せましたが、聞き入れられないのを恨みました。
残ったのは恨みです。
餅搗きの杵
年の暮の餅搗きに手元が狂ったと見せて杵で撃ち殺しました。
装ったのは手元の狂いです。
北を向けて葬る
普通の死に方でないので北を向けて葬りました。
向けたのは北です。
社としてまつる
その後色々怪しいことが起こるので、墓所を神社として祭りました。だから「大つる様」は普通の神社と違い北を向いているといいます。
残ったのは北向きの社です。
大つる様の伝承地域
公的データベースの地域欄は群馬県、市郡名の欄は桐生市を示します。
報告は岡山の雑誌に載っていますが、扱っているのは群馬の話です。
大つる様の正体と考えられているもの
大つる様は、北を向いてまつられた女中です。
姿を見せる話ではありません。 語られているのは、どう殺されたかと、社が北を向いているわけです。
今も残る社の向きが、そのまま話の証しになっています。
この図鑑には神の遊び木(群馬)も収めています。
大つる様が登場する作品
大つる様を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは民俗学会の雑誌に載った論考です。
普通でない死に方をした人を特定の方向に葬る風習は各地にあり、北向きや西向きにまつられます。
大つる様が登場する雑誌
岡山民俗
岡山民俗学会が出した雑誌です。1972年の百号記念号に葬る方向の論考が載ります。
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大つる様についてよくある質問
大つる様とは何ですか。
群馬県桐生市で、殺された女中おつるをまつった社です。
どうして殺されたのですか。
思いを聞き入れられなかった番頭が、餅搗きで手元が狂ったと見せて杵で撃ち殺したといいます。
なぜ北を向いているのですか。
普通の死に方でないので北を向けて葬ったためだといいます。
なぜ社になったのですか。
その後いろいろ怪しいことが起こったので、墓所を神社として祭ったといいます。
大つる様と併せて覚えたい言葉・用語
機屋(はたや)
織物をつくる家のことです。
番頭(ばんとう)
商家で使用人の長を務める人です。
桐生市(きりゅうし)
群馬県の東部にある市です。織物の町として知られます。
大つる様の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。