福島県広野町で、伐りかけると紅い血がほとばしったという松。安寿姫に結ばれます。

日の出松とはどんな妖怪か
日の出松はひとことで言えば、名前が二重になった松です。福島県双葉郡広野町の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、山口彌一郎,岩崎敏夫「蛇祭と樹木伝説の二・三―磐城地方に於ける―」(『旅と伝説』9巻6号/通巻102号、1936年、48頁)を典拠に、悪者から逃れた安寿姫が世を去ったところにあった松の木を伐りかけたら紅血がほとばしりだした。ここから朝日が見えるので、血の出松が訛って日の出松になったと言われると記します。
名前の由来が二つ重ねて書かれています。
もとは血の出松でした。 それが訛って日の出松になり、朝日が見えるという理由が付きました。
日の出松の漢字表記と読み方
読みは「ひのでまつ」です。
安寿姫は、山椒大夫の物語に出てくる姉のことです。 弟は厨子王といいます。
この記録では、世を去ったところに松があったとされます。
どれも伐ろうとして起きます。
日の出松(ひのでまつ)
日文研データベースが示す呼称。
血の出松(ちのでまつ)
訛る前の呼び名として記されます。
日の出松の姿と特徴
日の出松の姿は、記録に短く書かれています。
もの … 松の木。
場所の由来 … 安寿姫が世を去ったところ。
したこと … 伐りかけた。
起きたこと … 紅血がほとばしり出した。
もとの名 … 血の出松。
今の名の理由 … ここから朝日が見えるから。
その後どうなったかは書かれていません。
日の出松の伝承記録
安寿姫が世を去った場所
悪者から逃れた安寿姫が世を去ったところに、松の木がありました。
土地の名所ではなく、死んだ場所として語られています。
伐りかけると血が出る
その松の木を伐りかけたら、紅血がほとばしり出しました。
切り倒せてはいません。 伐りかけたところで止まっています。
血の出松から日の出松へ
ここから朝日が見えるので、血の出松が訛って日の出松になったと言われます。
恐ろしい名が、明るい名に置きかわりました。
由来だけが、残っています。
日の出松の伝承地域
公的データベースの地域欄は福島県双葉郡広野町を示します。
広野町は太平洋に面した浜通りにあたります。
日の出松の正体と考えられているもの
日の出松は、名前が置きかわった木です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、血が出たということと、名の由来だけです。
それでも、もとの名が伝わっています。
この図鑑には血を流す木の話をほかにも収めています。
日の出松が登場する作品
日の出松を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは雑誌の報告です。
伐ると血が出る木の話は各地にあり、伐ってはいけないという戒めを伴います。この図鑑には血を流す木の話をほかにも収めています。
日の出松が登場する雑誌
旅と伝説
三元社の雑誌です。1936年の号に山口彌一郎と岩崎敏夫の報告が載ります。
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日の出松についてよくある質問
日の出松とは何ですか。
福島県広野町で、伐りかけると紅い血がほとばしったと伝わる松です。
もとの名は何ですか。
血の出松だったと記録されています。
なぜ日の出松になりましたか。
ここから朝日が見えるので、訛って日の出松になったとされます。
安寿姫とは誰ですか。
山椒大夫の物語に出てくる姉のことです。
日の出松と併せて覚えたい言葉・用語
安寿姫(あんじゅひめ)
山椒大夫の物語に出てくる姉のことです。
浜通り(はまどおり)
福島県の太平洋側の地域を指す呼び方です。
旅と伝説(たびとでんせつ)
戦前の民俗雑誌。三元社が出しました。
日の出松の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。