福岡県北九州市門司区で、鎌と松明を持って渚に向かうと潮が二つに割れたという神事。

和布刈神事とはどんな妖怪か
和布刈神事はひとことで言えば、潮が割れる夜です。福岡県北九州市門司区の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、玉田永教「年中故事」(『続日本随筆大成別巻』12巻、1983年、219頁)を典拠に、早鞆社は彦火々出見尊を祭っているが、12月30日の子の刻に、社家の1人が右手に鎌を持ち、左手に松明を掲げ、大海の渚にむかうと、潮が2つに割れる。そしてそこにある五百壇の石壇についている和布を一鎌刈って帰ると、海は元に戻るというと記します。
戻る条件まで書かれています。
割れっぱなしではありません。 一鎌刈って帰ると、海は元に戻ります。
和布刈神事の漢字表記と読み方
読みは「めかりしんじ」です。
和布はワカメのことで、和布刈はそれを刈ることをいいます。 今も旧暦元日に行われます。
子の刻は、真夜中の十二時ごろにあたります。
どれも海が動きます。
和布刈神事(めかりしんじ)
日文研データベースが示す呼称。
早鞆社(はやともしゃ)
記録が示す社の名。今の和布刈神社です。
和布刈神事の姿と特徴
和布刈神事に姿はありません。記録にあるのは、手順です。
社 … 早鞆社。祭るのは彦火々出見尊。
日 … 十二月三十日。
時刻 … 子の刻。
行う人 … 社家の一人。
右手 … 鎌。
左手 … 松明。
渚にむかうと潮が二つに割れ、和布を一鎌刈って帰ると海は元に戻ります。
和布刈神事の伝承記録
真夜中に渚へ向かう
12月30日の子の刻に、社家の1人が右手に鎌を持ち、左手に松明を掲げ、大海の渚にむかいます。
持ち物と手が、左右まで決まっています。
潮が二つに割れる
すると、潮が2つに割れます。
道が開くのは、その一人のためです。
一鎌刈って帰る
そこにある五百壇の石壇についている和布を、一鎌刈って帰ります。
すると、海は元に戻ります。
取るのは、一鎌だけです。
和布刈神事の伝承地域
公的データベースの地域欄は福岡県北九州市門司区を示します。
和布刈神社は関門海峡のいちばん狭いところに面して建ちます。
和布刈神社(めかりじんじゃ)
日文研データベースが示す伝承地域
和布刈神社の所在地:福岡県北九州市門司区大字門司
報告は続日本随筆大成別巻の年中故事によります。
記録は早鞆社と記します。関門海峡に面します。
和布刈神事の正体と考えられているもの
和布刈神事は、海が道をあける夜です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、割れることと、戻ることだけです。
それでも、手順が細かく伝わっています。
この図鑑には潮にまつわる話をほかにも収めています。
和布刈神事が登場する作品
和布刈神事を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは随筆の叢書です。
海が割れるという言い伝えは各地にあり、神事と結び付いて語られます。この図鑑には潮にまつわる話をほかにも収めています。
和布刈神事が登場する随筆
続日本随筆大成別巻
吉川弘文館の叢書です。12巻に年中故事が収められています。
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和布刈神事についてよくある質問
和布刈神事とは何ですか。
福岡県北九州市門司区の社で行われる、ワカメを刈る神事です。
いつ行いますか。
記録では十二月三十日の子の刻とされます。
何が起きますか。
渚にむかうと潮が二つに割れると記録されています。
その後どうなりますか。
和布を一鎌刈って帰ると、海は元に戻るとされます。
和布刈神事と併せて覚えたい言葉・用語
和布(め)
ワカメのことです。
子の刻(ねのこく)
真夜中の十二時ごろにあたります。
社家(しゃけ)
代々神社に仕える家のことです。
和布刈神事の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。