福井県敦賀市で、滝に打たれる姿を見た侍に仏道を勧めたという美しい女。

立花左近 「松原神社の鳥居(福井県敦賀市松島町)」 2012年 / CC BY-SA 3.0 出典
弥陀の化身とはどんな妖怪か
弥陀の化身は、逃げ道を教えた女です。福井県敦賀市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、荒谷捨松「敦賀市山の伝説」(『えちぜんわかさ』福井民俗の会、1993年)を典拠に、長源寺跡の近くの谷川の滝に、昔一人の侍が辿りついた。のどの渇きを癒そうと滝に近づくと、美しい女が滝に打たれていた。侍が見とれていると、女性は「私の姿をじっと見てこのまま帰ると命が危ないので、この近くの長源寺で仏道に精進しなさい」と言った。侍は仏道に帰依した。女は弥陀の化身だったというと記します。
警告と助言が一つになっています。
「このまま帰ると命が危ない」と告げたうえで、長源寺で仏道に精進しなさいと道を示しました。
弥陀の化身の漢字表記と読み方
読みは「みだのけしん」です。
「化身」は、仏や神が姿を変えて現れたものです。
「帰依」は、仏の教えに身をゆだねることです。
「精進」は、仏道に努め励むことです。
弥陀の化身(みだのけしん)
日文研データベースが示す呼称。
滝の女(たきのおんな)
出てくる場から付けられる言い方です。
弥陀の化身の姿と特徴
弥陀の化身の姿は、記録にはっきり書かれています。
あるところ … 長源寺跡の近くの谷川の滝。
辿りついた人 … 昔一人の侍。
その用 … のどの渇きを癒そうとした。
見たもの … 美しい女が滝に打たれていた。
侍のしたこと … 見とれた。
女の言葉 … 私の姿をじっと見てこのまま帰ると命が危ないので、この近くの長源寺で仏道に精進しなさい。
侍のその後 … 仏道に帰依した。
女の正体 … 弥陀の化身。
女の年ごろは書かれていません。
弥陀の化身の伝承記録
谷川の滝
長源寺跡の近くの谷川の滝に、昔一人の侍が辿りつきました。
用は水でした。
滝に打たれる女
のどの渇きを癒そうと滝に近づくと、美しい女が滝に打たれていました。
女は行をしています。
命が危ない
女性は「私の姿をじっと見てこのまま帰ると命が危ない」と言いました。
見たことが危うさになりました。
仏道に帰依する
「この近くの長源寺で仏道に精進しなさい」と言い、侍は仏道に帰依しました。女は弥陀の化身だったといいます。
助かる道は寺にありました。
弥陀の化身の伝承地域
公的データベースの地域欄は福井県敦賀市を示します。
論文名の敦賀市山の伝説は、この市の山あいの話を集めたものです。
弥陀の化身の正体と考えられているもの
弥陀の化身は、仏が女の姿で現れたとされるものです。
祟る話ではありません。 語られているのは、見てしまった危うさと、その逃れ方です。
滝に打たれていたという姿が、行をする者として見えたことを示します。
弥陀の化身が登場する作品
弥陀の化身を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは福井の民俗の会の雑誌です。
仏が人の姿で現れて道を示す話は各地にあり、寺の由来として語られることが多くあります。
弥陀の化身が登場する学会誌
えちぜんわかさ
福井民俗の会が出した雑誌です。1993年の号に敦賀市山の伝説が載ります。
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弥陀の化身についてよくある質問
弥陀の化身とは何ですか。
福井県敦賀市で、滝に打たれていたと語られる美しい女です。
何と言ったのですか。
このまま帰ると命が危ないので長源寺で仏道に精進しなさい、と言ったといいます。
侍はどうしましたか。
仏道に帰依したと記録されています。
化身とは何ですか。
仏や神が姿を変えて現れたものです。
弥陀の化身と併せて覚えたい言葉・用語
化身(けしん)
仏や神が姿を変えて現れたものです。
帰依(きえ)
仏の教えに身をゆだねることです。
精進(しょうじん)
仏道に努め励むことです。
弥陀の化身の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。