本文へ移動

愛媛県

一夜ヶ森(いちやがもり)とはどんな妖怪か|姿と伝承

一夜ヶ森  / イチヤガモリ

そのほか 各地の伝説

愛媛県西予市で、一夜のうちに天から降りてきたと伝えられる森。

一夜ヶ森の姿を描いた図

Hajime NAKANO 「乙亥の里(愛媛県西予市野村町)」 2018年 / CC BY 2.0 出典

一夜ヶ森とはどんな妖怪か

一夜ヶ森はひとことで言えば、一晩で生えた林です。愛媛県西予市野村町の話です。

国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、「村人の信仰と伝説」(『あゆみ』通巻5号、愛媛大学農学部附属農業高等学校郷土研究部、1964年、34頁)を典拠に、空海が大野ヶ丘に伽藍を立てたころ、ある朝は作日まで存在していなかった森が出来ていた。この林が一夜の間天から降りてきたと言われていると記します。

化けて出るものはいません。

動いたのは森そのものです。 一晩のうちに、無かった林が在るようになりました。

一夜ヶ森の漢字表記と読み方

読みは「いちやがもり」です。

「一夜」は、一晩のことです。 一晩でできたと言い伝えるものに付く言い方です。

一夜城、一夜堤のように、「一夜」を冠する地名は各地にあります。

どれも時のかかるはずのものが短く済んでいます。

一夜ヶ森(いちやがもり)

日文研データベースが示す呼称。

一夜ケ森(いちやがもり)

「ヶ」を大書きにする書き方もあります。

一夜ヶ森の姿と特徴

一夜ヶ森の姿は、記録に短く書かれています。

もの … 森(林)。
できた時 … 空海が大野ヶ丘に伽藍を立てたころ。
気づかれ方 … ある朝、昨日まで無かった森ができていた。
由来とされること … 一夜の間に天から降りてきた。

木の種類や広さは書かれていません。

一夜ヶ森の伝承記録

  1. 伽藍の建つころ
  2. 朝になって在った
  3. 天から降りてきた

伽藍の建つころ

空海が大野ヶ丘に伽藍を立てたころのことです。

時をはかる目印が寺の普請になっています。

朝になって在った

ある朝は作日まで存在していなかった森が出来ていました。

気づかれたのはです。

天から降りてきた

この林が一夜の間天から降りてきたと言われています。

下から生えたのではなく、上から来たと語られます。

一夜ヶ森の伝承地域

公的データベースの地域欄は愛媛県西予市野村町を示します。

大野ヶ丘は野村町の高台にあたります。

野村町(のむらちょう)

日文研データベースが示す伝承地域

地図で開く

野村町の所在地:愛媛県西予市野村町

報告は愛媛大学農学部附属農業高等学校郷土研究部のあゆみによります。

肱川の上流にあたる山あいの町です。

一夜ヶ森の正体と考えられているもの

一夜ヶ森は、一晩でできたとされる林です

害を出したという話ではありません。 語られているのは、無かったものが朝に在ったという一点です。

空海の名が添えられ、寺の普請と時を同じくします。

一夜ヶ森が登場する作品

一夜ヶ森を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは高校の郷土研究部の会誌です。

一夜でできたと語る話は各地にあり、一夜城の名で知られるものもあります。

一夜ヶ森が登場する郷土誌

あゆみ

愛媛大学農学部附属農業高等学校郷土研究部の会誌です。1964年の号に村人の信仰と伝説が載ります。

四国の妖怪の本を探す

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

一夜ヶ森についてよくある質問

一夜ヶ森とは何ですか。

愛媛県西予市野村町で、一夜のうちにできたと伝えられる森です。

いつのことですか。

空海が大野ヶ丘に伽藍を立てたころと記録されています。

どこから来たのですか。

一夜の間に天から降りてきたと言われています。

今も森はありますか。

記録は由来だけを伝えており、現在の様子は書かれていません。

一夜ヶ森と併せて覚えたい言葉・用語

伽藍(がらん)

寺の建物のひとまとまりのことです。

空海(くうかい)

平安時代の僧。各地に開創の言い伝えがあります。

大野ヶ丘(おおのがおか)

愛媛県西予市野村町の高台の呼び名です。

一夜ヶ森の参考資料

この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。

  1. 国際日本文化研究センター「一夜ヶ森」