千葉県館山市で、親孝行な人は通れるが不孝の者は閉じ込められるという裂けた山。

鉈切山とはどんな妖怪か
鉈切山はひとことで言えば、人を選ぶ裂け目です。千葉県館山市の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、藤澤衛彦「伝説の旅―房総海岸一帯―」(『旅と伝説』8号、1928年、21頁)を典拠に、鉈切明神の後ろにある鉈切山は峰から下まで両断されたように裂け目がある。至孝の人は傘をさせば通れるが、不孝の者が入ると両山が合わさってひとつの山になり、出ることができなくなるといわれていると記します。
通れる条件が、傘です。
力でも道具でもありません。 至孝の人が傘をさせば通れる、と書かれています。
鉈切山の漢字表記と読み方
読みは「なたきりやま」です。
鉈切は、鉈で切ったように裂けている、という意味に読めます。 館山には海食洞の鉈切洞窟も知られます。
至孝は、この上なく親孝行なことをいいます。
どれも行いを見ます。
鉈切山(なたきりやま)
日文研データベースが示す呼称。
鉈切明神(なたぎりみょうじん)
山の前にある社の名です。
鉈切山の姿と特徴
鉈切山に姿はありません。記録にあるのは、裂け目と、決まりです。
場所 … 鉈切明神の後ろ。
山の形 … 峰から下まで両断されたような裂け目。
通れる人 … 至孝の人。
通り方 … 傘をさす。
通れない人 … 不孝の者。
そのとき起きること … 両山が合わさってひとつの山になる。
入った者は、出ることができなくなります。
鉈切山の伝承記録
裂けた山
鉈切明神の後ろにある鉈切山は、峰から下まで両断されたように裂け目があります。
名前が、そのまま形を表しています。
孝行者は傘をさして通る
至孝の人は、傘をさせば通れます。
傘をさすのは、上を気にしないという形にも読めます。
不孝の者は出られない
不孝の者が入ると、両山が合わさってひとつの山になります。
そして、出ることができなくなるといわれています。
山が、閉じます。
鉈切山の伝承地域
公的データベースの地域欄は千葉県館山市を示します。
館山市は房総半島の南のはしにあたります。
鉈切山の正体と考えられているもの
鉈切山は、行いで通れるかが決まる場所です。
祟りという語は使われていません。 記されているのは、通れることと、出られなくなることだけです。
それでも、傘という道具まで決まっています。
この図鑑には人を選ぶ場所の話をほかにも収めています。
鉈切山が登場する作品
鉈切山を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは雑誌の報告です。
行いによって通れるかが決まる場所の話は各地にあり、岩や洞に多く伝わります。この図鑑には人を選ぶ場所の話をほかにも収めています。
鉈切山が登場する雑誌
旅と伝説
三元社の雑誌です。1928年の8号に藤澤衛彦の伝説の旅が載ります。
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鉈切山についてよくある質問
鉈切山とは何ですか。
千葉県館山市の鉈切明神の後ろにあり、裂け目があると伝わる山です。
誰が通れますか。
至孝の人が傘をさせば通れると記録されています。
不孝の者はどうなりますか。
両山が合わさってひとつになり、出られなくなるとされます。
至孝とは何ですか。
この上なく親孝行なことをいいます。
鉈切山と併せて覚えたい言葉・用語
至孝(しこう)
この上なく親孝行なことをいいます。
鉈(なた)
木を割るのに使う厚い刃物です。
館山市(たてやまし)
千葉県房総半島の南のはしの市です。
鉈切山の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。