愛知県知多郡で、隣家の火事の飛火を免れたのは信心のおかげとされた本尊。

千手観音様とはどんな妖怪か
千手観音様はひとことで言えば、火事から家を守ったとされた本尊です。愛知県知多郡の話です。
国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースは、山本錠之助「弘法様と岩屋山 四、岩屋山霊験記」(『みなみ』通巻15号、1973年、35頁)を典拠に、知多郡豊浜町のある男性は、1200年前、海より岩屋の観音様を引き上げ奉った家柄もあって、特に岩屋寺の本尊千手観音は日頃から信仰していた。大正10年旧2月23日隣家から出火全焼したのだが、猛火の飛火も免れ垂木をこがしただけで済んだ。これもひとえに御利益のおかげであろうと記します。
日付まで記された、近い時代の話です。
家柄も記されています。 海から観音を引き上げた家の子孫とされました。
千手観音様の漢字表記と読み方
読みは「せんじゅかんのんさま」です。
千手観音は多くの手を持つ姿で表される仏です。 岩屋寺の本尊とされます。
この話では、海から引き上げられた観音という由来が語られます。
この図鑑には殺生橋(長崎)も収めています。そちらも海を渡った木から観音が刻まれました。
千手観音様(せんじゅかんのんさま)
日文研データベースが示す呼称。
岩屋寺(いわやでら)
本尊を安置する寺の名です。
千手観音様の姿と特徴
千手観音様に妖怪としての姿はありません。記録にあるのは、火事の顛末です。
信仰した人 … 知多郡豊浜町の男性。
家柄 … 1200年前、海より岩屋の観音様を引き上げ奉ったという家。
日 … 大正10年旧2月23日。
起きたこと … 隣家から出火し、全焼した。
その家 … 猛火の飛火を免れ、垂木をこがしただけで済んだ。
受け取り方 … ひとえに御利益のおかげであろう。
仏が動いたという記述はありません。
千手観音様の伝承記録
海から上がった観音
1200年前、海より岩屋の観音様を引き上げ奉ったという家柄がありました。
その子孫が、岩屋寺の本尊千手観音を日頃から信仰していました。
海から仏が来る話は、沿岸の各地にあります。
隣家の火事
大正10年旧2月23日、隣家から出火し、全焼しました。
しかし、猛火の飛火も免れ、垂木をこがしただけで済みました。
風向きについては書かれていません。 記されたのは、焦げただけで済んだという事実です。
御利益と受け取る
これもひとえに御利益のおかげであろうと記されます。
信心が火から家を守ったという読み方です。
霊験記の題のとおり、利益の記録として書き留められました。
千手観音様の伝承地域
公的データベースの地域欄は愛知県知多郡南知多町を示します。信仰した人は豊浜町の男性と記されます。
豊浜町は、のちに南知多町の一部になりました。
千手観音様の正体と考えられているもの
千手観音様は、火事を免れた理由として語られた本尊です。
怪異として語られてはいません。 これは霊験記、つまり御利益の記録です。
この図鑑には、寺や仏にまつわる話として殺生橋(長崎)も収めています。
海から来た仏——沿岸の土地に共通する形です。
千手観音様が登場する作品
千手観音様を単独で扱った本は見当たりません。読めるのは町の郷土研究会の雑誌です。
霊験記は寺や仏の利益を書き留めた記録で、各地に残ります。この図鑑には殺生橋(長崎)も収めています。
千手観音様が登場する郷土雑誌
みなみ
南知多町郷土研究会の雑誌です。通巻15号に岩屋山霊験記が載ります。
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千手観音様についてよくある質問
この話は何ですか。
愛知県知多郡で、隣家の火事の飛火を免れたのは岩屋寺の本尊千手観音の御利益とされた記録です。
いつのことですか。
大正10年旧2月23日と記されています。
その家はどうなりましたか。
猛火の飛火を免れ、垂木をこがしただけで済んだと記録されています。
観音の由来は何ですか。
1200年前、海より岩屋の観音様を引き上げ奉ったと伝わります。
千手観音様と併せて覚えたい言葉・用語
千手観音(せんじゅかんのん)
多くの手を持つ姿で表される観音です。
霊験記(れいげんき)
仏や神の御利益を書き留めた記録です。
垂木(たるき)
屋根を支える木材。焦げただけで済んだと記されます。
千手観音様の参考資料
この記事は、以下の公的・学術資料をもとに構成しています。